2009年10月08日

催眠術について基礎の基礎講座





催眠術の基礎 (1) 「催眠術で出来ること」

Q1 催眠術で何ができるか。
  ⇒その人ができないことはできない。
    ⇒空を飛ぶことはできない。
    ⇒100mも8秒台で走れません。
    ⇒「あなたは、死にたくなる」という暗示も効きません。

・テレビでよく見る催眠術の例
 「ペンが手から離れなくなる」
  ⇒催眠術で実現可能です。
  単に話さなければいいだけ。手を開かなければいいだけです。
  
  「あなたは犬です」
  ⇒催眠術で実現可能です。
   犬のマネは誰でもできますよね。
   でも、 犬を見た事がない人に、この命令をしたら、
   「出来ない」か、「想像上の物のマネ」をするでしょう。

  「周りの人が全員全裸に見える」
  ⇒催眠術で実現可能です。
    誰でも想像はできますよね。

  「ビルから飛び降り自殺したくなる」 
  ⇒催眠術では、実現不可能です。
   本当に自殺したいと思っている人はもちろん掛かるでしょうが、   普通の人には絶対にかかりません。
   もちろん、ビルの屋上で 「空を飛びたくなる」という暗示を掛   ければ、話も変わるでしょうが・・・・

  「力がみなぎり一円玉を曲げることができる」
   ⇒インチキです。
   よく、TVでは、催眠術に掛かった人が怪力になる。という話があ   ります。
   催眠術で「脳のリミッターを外し、火事場のバカ力」を出させる   ことはできますが、
   さすがにコインを曲げるほどの人間離れした事は不可能です。

   ちなみに曲がる1円玉は
   「1円玉をアルミホイルで包んで10分ほどコンロで焼く」
   とできあがります。手品でよく使われる仕掛けです。
   催眠術で出来ることは、元々その人ができること。



催眠術の基礎 (2) 「催眠術とはどういうもの?」

Q1 催眠術とは?
英語で「Hypnotism」
心理学的技術である。

・無意識に語りかける技術
・外部からの暗示で潜在能力を引き出すもの
と言われます。

具体例を用いて解説しましょう。

レモンを見て、自然と唾が出てきた
コーラと思いこんでコーヒーを飲む となんとも変な感覚になった
ということを経験したことはないでしょうか?

これらは、 自分では意識していなくても、
『無意識』に過去の経験から、脳が勝手に働いているためです。
催眠術は、この脳の無意識の働きを、 『外部要因』
すなわち、『術者の心理学的な誘導』により、働かせるというものです。

一般的な例で、「ペンを握った手が開かない」という暗示では、
「レモンをみて、無意識に『脳がすっぱいと感じ』、唾がでる(反応)」ように
「手が開かないと、脳に無意識に感じさせることで手が開かなくなる(反応)」
といった感じです。

第 5回:催眠術の基礎 (3) 「誰でもかかるの?」

Q1 誰でもかかるの?
   ⇒誰でも掛かる
    もちろん人により、かかりやすさに差はあります。

よく誤解されがちですが、
決して『心の弱い人』や、『単純な人』がかかりやすいわけではありません。

また、他の要因として、
 ・術者と被術者(かかる側)の信頼関係の度合い
 ・被催眠術者の心理状態(リラックスしていること)
などなどさまざまな要因があります。
下心丸出しで、悪いことをしてやろうと考えるような人は、 もともと、あまり信頼されないので催眠術をかけることはできないということですね(笑)


Q2誰でも使えるようになるの?
  ⇒なります。

私の知っている印象的な言葉の一つに、
「催眠術を覚えることは、運転免許を取得する事と同じ』
という言葉があります。
催眠術も車の運転も、単なる技術ですので、
仕組みを理解し、多少の訓練をつめば、誰でも出来るという事です。

テレビ等で非常にスゴイ技術のように扱われていますが、実際は難しいものではありません。
マジシャンのテクニックのほうが数倍すごいです。
※当然、深い催眠術は非常に高度な技術を必要とします。



催眠術の基礎 (4) 「催眠状態とは?」
催眠状態と、つまらない会議は同じです。

催眠術に掛かっている状態はいったいどんな感じなんでしょうか?
『覚えていない』、 『わけが分からない』
といったことはありません。

催眠術に掛かっていても、普段の意識はあり、周りの状況も把握できています。
その為、自分が催眠に掛かっていると気づかない人もいます。

催眠に掛かっている状態は、一種の

「トランス状態」

です。

トランスと聞くと、「激しい音楽」や、「宗教」、「麻薬」を想像してしまいがちですが、
普段の生活でも、トランス状態 になる場面はたくさんあります。

例えば、
 ・つまらない会議や授業で、周りの声がまったく耳に入らなくなるとき。
 ・寝ぼけていてボーっとしているとき。
このような時は一種のトランス状態にあるといえます。
通常、1日に十数回はトランス状態になると言われています。

「催眠状態」も、「会議中」も、「寝ぼけているとき」 にもすべてにいえるのは、
「無意識の恍惚状態」 ということです。
「何も考えず体も頭も非常にリラックスしている状態であること」ですね。

会議中に、ボーっとして無意識にいろいろな想像が思い浮かんでくる状態と同様に、
催眠状態とは、無意識に術者の暗示が頭に入り込んでくる状態
といえば分かりやすいでしょうか。

催眠から解ける瞬間は、
会議でボーっとしているときに、「おい!」と呼ばれて
我に返る瞬間と似ているということですね。

催眠術の基礎 (5) 「催眠術の段階」
恋も催眠術もABC!

催眠術といっても「軽い状態」から「深い状態」まであります。

「握ったペンが話せない」や、「イスから立てない」は軽いもの
「自分の名前が言えない」なんかは深い物です。

簡単に想像が付くと思いますが、
相手をいきなり深い催眠状態にに持っていくことは不可能です。

テレビでは、被術者(催眠術にかかる人)を最初から
「名前を忘れる」「3という数字を忘れる」という状態にしているシーンがありますが、
あれは
「事前に催眠導入を行っている」 あるいは、「インチキ」のどちらかです。

マジックの番組では、さまざまな人に協力してもらっていますが、
催眠術の番組では、たいてい最初から最後まで1人に術を掛け続けます。

こういったことからも、
催眠術には深さの段階があり、
軽い状態から深い状態へと1つずつ進めていかなくてはいけないことを
ご理解いただけたかと思います。


催眠術の基礎 (6) 「催眠術の深さ」
手が開かなくなる〜赤ちゃんになるまで

前回、催眠術には「軽い状態」から「深い状態」があると書きました。
具体的には、以下の3つの段階があります。

軽 筋肉支配・・・筋肉を操作(動きを支配)
↓ 感覚支配・・・感覚を操作(痛覚・聴覚・音感)
重 記憶支配・・・記憶を操作(過去の記憶の呼び出し・無意識の支配)

この3つは上から、「筋肉支配」⇒「感覚支配」⇒「記憶支配」と、
催眠の導入の順序で、催眠の深さの段階あります。

すなわち、
『筋肉支配』は軽い催眠状態で、
『記憶支配』は深い催眠状態です。
(※次回から、3つの段階のそれぞれについて解説していきます。 )

催眠をかける際には、
かならず「筋肉支配」から始め、
感覚支配⇒記憶支配へと催眠状態を深めていきます。

それぞれの状態で、有名な状態は以下の通りです。
筋肉支配: イスから立てない。 握ったペンが離れない。
感覚支配: レモンが甘く感じる。
記憶支配: 3という数字が頭から消える。 赤ちゃんになる。

最後段階の『記憶支配』に到達するにはかなりの技量が必要 となります。
それと同様に、術者と、被術者の信頼の度合い によっても、
「かかる」「かからない」には大きな差が生じます。(詳細は後日)


「掛かりやすさの指標」=「術者の技量」×「相手との信頼度合い」

といわれています。
すなわち、よほどのプロではないかぎり、
初対面の人を、何の会話もなしに、いきなり催眠状態に持っていくことは不可能 なのです。


では、一般的にどれくらいの人が『記憶支配』の段階まで掛かるのでしょうか?
一概には言えませんが、平均値として以下のように言われています。


筋肉支配:80〜90%
感覚支配:40〜60%
記憶支配:10〜15%


催眠術の段階 (1) 「筋肉支配の段階」
手が開かなくなったり立てなくなったり。



催眠術の誘導の最初の段階。
一番軽い催眠の状態である「記憶支配 」の段階についてです。
筋肉支配とは「軽催眠状態」と呼ばれます。

人が意識的に動かすことのできる随意筋をコントロールできる。

また、内臓の筋肉のような不随意筋とよばれるものある程度コントロールできます。

TVでよく見る
「ペンを離せなくなる」⇒手の筋肉をコントロール(硬直)する。
「椅子から立てなくなる」⇒足の筋肉をコントロール(硬直)する。
「テーブルから手が離れなくなる」⇒腕の筋肉をコントロール(硬直)する。
はこの段階の催眠です。

レモンを見て、脳が無意識にスッパイと感じ、唾を出すのと同じように、
自身が無意識のうちに、外的要因(術者の誘導)により、 脳が、「この部分は動かない」と認識し、勝手に動かなくなっている状態です。

通常は、脳に近い部分ほど効果があるようです。
筋肉支配により、上の例のように「筋肉を緊張させ動かなくする」以外にも、
逆に、「緊張した筋肉をやわらげる」事も可能になります。

これにより「慢性的な肩こりを和らげる」と言った治療(催眠療法)も行われています。



催眠術の段階 (2) 「感覚支配の段階」
レモンが甘い??

催眠術の誘導の2番目の段階である「感覚支配 」の段階についてです。

感覚支配では、筋肉に続き、

人間の5感をコントロールできるようになる。

これは「中程度の催眠状態」と言われます。

テ レビでよく見る例では、
「レモンがすごく甘く感じる」といった物もこの段階に当てはまります。
これも、被術者の無意識に「レモンは甘い」と信じ込ませるんですね。


催眠術の深化の展開の例としては、
最初の筋肉支配で、
  「手がテーブルから離れない」という暗示をかけ、
次の感覚支配の段階で、
 「テーブル全部があなたの手になります」という暗示をかけます。
そうすると、
 「テーブルをくすぐると被術者もくすぐったく感じます。」



催眠術の段階 (3) 「記憶支配の段階」
目の前の人が裸に見える!!

遂に催眠術の誘導の一番深い段階である「記憶支配 」の段階についてです。

記憶支配の術例で有名なものといえば、
・自分の名前を忘れてしまう
・自分の名前が○○になる
・3という数字が記憶からなくなる
があります。
1度はテレビでご覧になったことがあるのではないでしょうか。

ですが、これは
本当に忘れさせているわけではありません。
当たり前ですよね。

今までの言い方をすると、
「被術者の"無意識"に忘れたと思わせている」事になります。

人の記憶は、
以下の3つの順番で動きます。
 1:物事を覚える(記憶)
 2:物事を忘れない(持続)
 3:物事を思い出す(呼出)

記憶支配の段階では、この3つのうち

「呼出」の部分を押さえつける・捻じ曲げる

ことができる。





こんんちわ。管理人のシタラです。

本日は、遂に催眠術の誘導の一番深い段階である「記憶支配 」の段階についてです。

記憶支配の術例で有名なものといえば、
・自分の名前を忘れてしまう
・自分の名前が○○になる
・3という数字が記憶からなくなる
があります。
1度はテレビでご覧になったことがあるのではないでしょうか。

ですが、これは
本当に忘れさせているわけではありません。
当たり前ですよね。

今までの言い方をすると、
「被術者の"無意識"に忘れたと思わせている」事になります。

人の記憶は、
以下の3つの順番で動きます。
 1:物事を覚える(記憶)
 2:物事を忘れない(持続)
 3:物事を思い出す(呼出)

記憶支配の段階では、この3つのうち

ことができます。

自分の名前を言おうとするときに、名前を記憶から呼び出します。
この呼び出しの部分を催眠術で押さえつけるので、
術にかかった人は自分の名前が言えないわけです。


ほかにも、
 ・目の前の人の事が好きになる。
 ・目の前の人々が裸に見える。
 ・目の前に有名人が現れる
なども記憶支配の段階です。

無いものが見える(正の幻覚)や、あるものが見えない(負の幻覚)なども、同様です。

例えば「目の前の人が裸に見える」術を掛けるときには、
術者は、被術者の無意識に語りかけて、無意識に裸だと思わせることになります。
被術者は、術者の言葉だけで「裸に見える世界を創ります」ので、
術者には、被術者にそのイメージを沸かせる『話術』が必要になります。

「筋肉支配はあまり上手くいかないが、感覚支配は非常に上手く掛けることができる。」
という術士がいるのはこのためです。

信頼関係を築く場合も含めて、催眠術師には話術が非常に重要です。
むしろ話術だけ必要といっても過言ではありません。


posted by ubermensch at 17:36| Comment(46) | はじめに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月20日

2人で世界を征服する方法

まず誰か1人でいいので、自分と意を同じくするか、自分の言いなりになる人間を連れてくる。*1
その2人を含む3人で、多数決で全てを決する1つ目の秘密結社を作る。
その3人を含む5人で、多数決で全てを決する2つ目の秘密結社を作る。
その5人を含む9人で、多数決で全てを決する3つ目の秘密結社を作る。
n番目の秘密結社は2^n+1人を支配できる。
 世界の総人口はいまちょっとググったところでは約67億人。

2^10 = 1024 ≒ 10^3
2^33 ≒ 8*10^9 > 67*10^8
 だから、33段階の秘密結社を通じて全人類を支配することができる。めでたしめでたし……という話が何の役に立つだろうか?

 世界で最も大きな組織には何段階の階級が存在するでしょうか?

 というフェルミ推定の問題が出されたときに役に立つかも知れない。実際には全人類は1つの組織に統一されていないし、各階層が単純多数決というもっとも効率が悪い*2と思われる意志決定方法であってこの数なので、現実の組織に必要な階層数はこの推計よりかなり少ないと思ってよいだろう。

 たとえばアメリカ合衆国大統領からイラクのどこかで哨戒中の二等兵に何か命令を伝える必要が生じたとする*3。途中で何回命令を受け渡す必要があるだろうか? 直接つまり1ということはなさそうだというのは常識でわかるが、上限について何か推定できることがあるだろうか。ここで33より多くなることは絶対にありえないと断言してよさそうである。

DSI 米軍階級
 答え合わせにちょっとググってみる。概ね妥当と言ってよさそうである。

*1:ここがクリアできない人は世界征服などという大それた野望は諦めよう!
*2:全構成員数に占める意志決定に必要な人数の割合が多いという意味で。社会的政治的な価値とはなんの関係もない。
*3:実在する巨大組織の例として最初に思いついたのが米軍だっただけなので自衛隊でも人民解放軍でもマイクロソフトでも好きなように置き換えてもらって構わない。

posted by ubermensch at 02:18| Comment(2) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

頭の体操「パズル・ロワイヤル」





 極東の全体主義国家大東亜共和国では、学力向上のため、全国の中学3年生のクラスから無差別に数十クラスを抽出して、命を賭けたパズルをさせるという怖ろしいプログラムが実行されています。

 あなたの3年B組(生徒数42名)は運悪くこのプログラムに選ばれてしまいました。そして、今年のパズルのルールは以下のようなものです。

 今からクラスの生徒は一人づつ別々に、42個のロッカーがある教室に案内されます。それぞれのロッカーの中には紙が一枚入っていて、それぞれの紙には3年B組の誰か一人の名前が記されています。

 教室に案内された各生徒は、21個のロッカーを開けて調べるチャンスを与えられます。自分の名前が記された紙を発見できれば、勝利。生きて帰れます。21個開けても自分の名前が記された紙を発見できなければ、失敗。監視している軍隊に射殺されてしまいます。

 生還した生徒も隔離されるので、まだ挑戦していない生徒に情報を伝えることはできません。また、ある生徒が教室で何をしても、次の生徒が挑戦する前に内部は完全に整頓され、最初の生徒が来たときと全く同じ状態に戻されてしまい、教室の中に情報を残すこともできません。*1

 ただし、プログラムがスタートする前に、全員でゆっくり時間をかけて相談をすることが可能です。

 あなたは主人公属性の思考法の持ち主なので、どうしても全員生きて帰りたいです。全員が助かる作戦を考えて下さい。その作戦を使った場合、全員が助かる確率はいくらぐらいになるでしょうか。*2

*1:なんなら、内部の状態がまったく同じになるように整えられた別々の42教室に全員が同時に案内される、と考えても構いません。
*2:自殺願望があってわざと逆らったり、難しすぎて作戦を憶えられなかったりする生徒はおらず、全員があなたの作戦を理解し従うものとします。

posted by ubermensch at 01:49| Comment(0) | はじめに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月19日

不完全世界征服マニュアル

今から最短経路で、世界征服を行う具体的な方法とは何だろうか?

強力な軍隊を編成すること?

株価を操作して、世界経済を牛耳ること?

あるいは来るべきネットワーク社会に備えて強力な人工知能を開発し、電脳世界を支配すること?

それとも、あらゆる物質の組み替え可能な自己増殖型ナノ兵器を開発して、人類を恐怖に陥れること?

いや、上のどの方法もライバルが多く、幾多の競争に打ち勝って絶対的優位を確保しない限り、

世界征服の礎を盤石のものにはできないだろう。

もっと、現時点で競争相手がおらず、確保すれば絶対的な有意が保てるような、

未開のフロンティアは無いものだろうか。

ある。

未開のフロンティアは、宇宙にある。

21世紀初頭の現時点で、最も着目すべき空域は「太陽と地球の間の空間」である。

地球上の暮らしは、そのほとんどが太陽に依存している。

もし太陽が失われてしまったたら、人類をはじめ、地球上の大半の生命は死滅する。

(生き残れるのは地熱を利用して生きる、ほんの一握りの生物だけだろう。)

もし太陽をコントロールすることができれば、この地球上で逆らえる者はほとんどいない。

どうやって太陽をコントロールするか。

簡単なことだ。

太陽と地球の間に、大きな反射板を置けばよい。

もしここに大きな鏡を置いて、地球に降り注ぐ太陽光線を全てカットしてしまえば、

地球はたちまち凍った死の星になってしまう。

地球を凍らせるには、なにも太陽光線を100%カットする必要は無い。

50%、いや、1%カットするだけでも、地球上には大異変が起こるであろう。

逆に、地球と太陽の間にレンズを置いたらどうななるか。

あるいは、外宇宙に散らばる太陽光線を集める反射板を置いたらどうなるか。

地球を焼き尽くすことなど、造作もない。

もちろん地球全体を焦土と化す必要はない。

己にたてつく反乱者の土地に向けて、ほんのちょっとだけ、レンズの焦点を合わせるだけでよい。

地球と太陽の間に割り込むような宇宙ステーションを、ひとたび建造してしまえば、

その拠点を覆すのはほとんど不可能に思える。

仮に2番手が宇宙ステーションを建造しようとしても、一番手が気付かぬはずはないだろう。

2番手が地球から資材を打ち上げようとする時点で、その計画を阻止することができる。

たとえ宇宙空間に出られたとしても、2番手が宇宙ステーションを完成させる前に、

1番手が2番手を焼き尽くすことは簡単だ。

技術的な問題は、宇宙ステーションを常に地球と太陽の間に「静止」させることだろう。

地球より内側に位置するステーションは、地球より短い公転周期を持つので、地球よりも先に進んでしまう。

しかし、心配ご無用。

太陽を有するステーションには、ほぼ無尽蔵にエネルギーがある。

光子セールを張って、太陽光の力で自在に宇宙空間を航行すればよいではないか。

さらに、この問題は太陽の周囲をリング状にぐるりと一周するステーションを建造すれば解決する。

あるいは、一周とまでは行かなくても、死角が無いように複数の宇宙ステーションでカバーすれば、

もはや敵無しである。

問題は、どうやって1番目のステーションを建設するかである。

まさか「世界征服のために宇宙ステーションを建設します」と言ったら、

誰も賛成しないだろう。

そこで、無知な地球市民を騙す名目が必要となる。

第1の名目は「太陽発電」。

エネルギー枯渇が騒がれ、年々高騰する化石燃料に代わって、

「安全でクリーンな」太陽発電所を建設する必要がある。

太陽発電所はちまちまと地上に建設しても良いのだが、

いっそ宇宙に巨大なものを建造すれば、人類のエネルギー問題は一挙に解決するだろう。

この巨大太陽発電所から地上に向けて電力を送るのは、

強力なマイクロウェーブを通じてとなるだろう。

ところが、このマイクロウェーブはほんの少し調整すれば、恐るべき殺人光線に早変わりする。

電子レンジを何万倍にも強力にしたようなものだ。

続く第2の名目は「気象コントロール」。

温暖化や砂漠化など、異常が続く地上の天気を、宇宙ステーションからコントロールするのである。

もし地上が暑すぎたなら、窓のブラインドを下げるように、

宇宙ステーションの日差しをほんの少し広げればよい。

反対に、極寒の地に日差しを送って、緑野に変えることも夢ではない。

こういった「エネルギーの最も効率的、かつ合理的な再分配」という名目で、

巨大太陽発電&気象コントロールステーションは、遅かれ早かれ建造されるものと思われる。

そのときが千載一遇のチャンスだ。

初めのうちはおとなしく、羊の皮を被ってステーションの建設を進め、

完成した暁には、狼の牙をむく。

一度暴走を開始した太陽ステーションは、もう誰にも止められない。

こういった太陽の「有効活用」を、かつて考えた人はいないのだろうか。

そんなことはない。

天才物理学者、フリーマン・ダイソンという人が、太陽エネルギーを余すところなく活用する方法を考えている。

名付けて「ダイソン球」。

ダイソン球とは、いっそ太陽そのものを卵の殻のような建造物で覆い尽くし、

外宇宙に無駄に捨てられていたエネルギーを、余すところなく利用しよう、

という壮大な試みのことだ。

これは極めて合理的な発想だ。

(ちなみにこのダイソンという人、ファインマン、朝永振一郎、シュヴィンガーらと

時を同じくして「くりこみ理論」に携わっていたのだが、

ノーベル賞は3人までだったのでもらい損ねたのだとか。)

我々の太陽も、最終的にはダイソン球で覆い尽くすのが良いかと思われる。

そこで、最初の太陽コントロールステーションで当面の支配を確保した後で、

地上の人民を奴隷のようにこき使って、一大建設事業に乗り出そう。

こうしてダイソン球が完成してしまえば、もはや太陽系に支配を揺るがす存在は何もなくなる。

ひょっとすると、過酷な重労働を嫌って、反乱軍が木星の裏側あたりに集結するかもしれない。

そのときには、

「ウワッハッハ、虫けらどもめ、小賢しいわ〜!」

とか言って、木星ごと吹き飛ばしてしてしまおう。

ダイソン球のパワーを持ってすれば、惑星の1つや2つ、吹き飛ばすのはいともたやすい。

こうして太陽系には、ダイソン球を中心とした帝国が完成することになる。

もはや太陽系内で、帝国の支配から逃れる術はない。

支配を快く思わぬ人たち、あるいは反乱軍は、ステルス移民船か何かを建造し、

こっそりと太陽系を抜け出すことになるだろう。

行き先は最も近い恒星群、アルファ・ケンタウリ。

外宇宙に活路を見出した人たちは、太陽系のことは忘れて、新天地で平和に暮らしてゆくのだろうか。

あるいはそうかもしれない。

しかし、人の恨みのパワーを侮ってはいけない。

恐らく、九死に一生を得た人たちは、木星を吹っ飛ばされた恨みを決して忘れることなく、

太陽系に対して報復攻撃を企てるに違いない。

反乱軍は、新天地で宇宙艦隊の建造を行うだろうか。

そんな悠長な手段はとらないだろう。

復讐のパワーで、アルファ・ケンタウリを取り巻くダイソン球を一気に完成させるに違いない。

アルファ・ケンタウリ、ベータ・ケンタウリ、プロキシマを合わせれば、

太陽系に対して絶対的な優位に立てる。

そして、全てのダイソン球が完成したら、全ての星の出力を合わせて、

太陽系に対して念願の報復攻撃を行おう。

名付けて「ダイソン・ビーム」。

その威力は惑星破壊砲をも遙かにしのぎ、恒星にさえ影響を及ぼすという。

デス・スターも真っ青だ。

来るべき恒星間戦争では、艦隊戦といった悠長でまだるっこしい手段はとらないだろう。

主役となるのは、恒星間破壊兵器「ダイソン・ビーム」なのである。

これを受けては、さしもの太陽系もひとたまりもない。

しかも、ダイソン・ビームは当然光の早さでやってくるので、事前に察知することは不可能だ。

もし敵星系がダイソン・ビームを発射してしまったら、それを回避する策はない。

運命を甘んじて焼き尽くされるか、外宇宙に逃げるしかない。

しかし、太陽系帝国ダイソン球の支配者たるものが、

運命を甘んじて受け入れるほどお人好しではないと思う。

初弾が達した時点で、こちらも負けじと太陽の全出力をもって報復攻撃を行うだろう。

この報復を受けては、ケンタウリ側も無傷では済まされない。

アルファ、ベータ2つのうちの1つを失う覚悟をしておかねばなるまい。

このように恒星間戦争とは、かくも熾烈なものである。

20世紀末に騒がれた「核兵器による報復」など、

「ダイソン・ビーム」に比べれば子供だましに過ぎない。

恒星間戦争においては、「ダイソン・ビーム」よりも速度は遅いが、

もっと決定的な破壊をもたらす兵器もある。

名付けて「恒星ブラックホール爆弾」。

これは、恒星そのものを燃焼させつつ前進し、

最後にはブラックホールに代わって敵星系を飲み込むという、とんでもない兵器である。

この兵器は何のためにあるのか。

それは、敵星系を100%完全に殲滅させるためにある。

「ダイソン・ビーム」で攻撃を行っても、

敵の首脳が必ずしもダイソン球の上に住んでいるとは限らない。

むしろ、どこかの宇宙ステーションか、スペースコロニー上に避難している可能性も高いであろう。

そうした生き残りや、残存艦隊を含めて、星系ごと消滅させるのが

「恒星ブラックホール爆弾」の役割だ。

敵の生き残りを根絶やしにしておかないと、またどこかの星系に落ち延びて、

いつ何時報復攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

なので、懸念の芽は小さいうちに、完膚無きまでに刈り取っておくべきである。

こういった恒星間戦争が憂慮されるので、たとえ太陽系帝国を完成させても、

帝王の座に甘んじていてはいけない。

近隣の恒星系全てに支配の手を広げておかないと、安心できない。

太陽系など、しょせん銀河辺境の一星系に過ぎない。

1個目のダイソン球を建設したからといっておごることなく、

2個目、3個目と、星づたいに次々とダイソン球化する必要がある。

大切なのはダイソン球の「建設速度」なのだ。

支配下に置くダイソン球の数を、常に反対勢力より多く保つ必要がある。

そのように考えていったとき、銀河系全体で最も重要な戦略拠点は「銀河中心」である。

銀河中心とは、太陽系で言うところの太陽に相当する。

銀河全体で、最も恒星密度が高い空域を最初にダイソン球化しておけば、

辺境の地から銀河中心に攻め入るのは、相当困難であろう。

数の勝負になったとき、天の川にある無数の天体を有している側が圧倒的に有利だ。

こうして銀河中心を掌握した銀河大帝国に対して、

快く思わない人たちは隣の銀河に移住するしかない。

そして、恒星間で起こったことが1段階スケールアップして、銀河間で行われることになるのだ。

そこでは、銀河間における「銀河ビーム」と「銀河衝突爆弾」による

壮絶な戦いが繰り広げられるだろう。

そして、このお話は段階的にスケールアップして、

銀河団、超銀河団、フィラメント構造、セル構造、、、

と続いてゆくのだ。

はあ、世界を征服するのは、たいへんだ。
posted by ubermensch at 00:37| Comment(0) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月12日

ヒトラーの「超人思想」の謎 〜 ナチズムの裏面史 〜

少しずつ添削していきます^^



■■■第1章:ワーグナーをこよなく愛していたヒトラー



●19世紀ドイツの哲学者フリードリッヒ・ニーチェは、優等民族の進化を予言していた。彼は来たるべき「超人」──ゲーテの『ファウスト』からとった言葉である──を、新しく、より強く、生物学的にも価値が高く、進んだ人種であり、それ以前のいかなる人間よりも優れた生存能力と種の保存能力を持つ者、と説明していた。

 


19世紀ドイツの哲学者
フリードリッヒ・ニーチェ
(1844〜1900年)

ニーチェは、ヨーロッパ文明の退廃を批判、
新たな天才の出現による価値の転換を唱えた。
彼はキリスト教をヨーロッパ的人間の堕落の原因とし、
永劫回帰思想による生の肯定、「超人」の理想を主張した。

彼の思想は20世紀の哲学・文学・思想界に深い影響を及ぼし、
その美的個人主義はナチスの指導者理論の基礎づけに利用された。

●ニーチェと同時代人であり、自分の創作したドイツ民族歌劇がヒトラーを狂喜させることになった作曲家リヒャルト・ワーグナーは、ドイツ人民こそがニーチェのいう優等民族であると明言し(ニーチェは同意していなかった)、「時は迫り来た!」と喝破した。

ワーグナーは、1880年出版の『宗教と芸術』の中で、ユダヤ人解放を非難し、高貴な人種と高貴ならざる人種との混交が、人類最高の特質を損ないつつあるという信念を表明していた。アーリア人種の純粋さを保つことによってのみ、「人種的な感情の真の復活」は成し遂げられる、というのだ。


●「聖杯」とはイエス・キリストが最後の晩餐で用いた「聖なる杯」であり、十字架から滴る彼の血を受けたものである。

この失われた「聖杯」の伝説は、「アーサー王伝説」の中心的主題の一つとして広まり、イエス・キリストを刺したといわれる「ロンギヌスの槍」と合わせ、ともに失われた2つの秘宝を手にする者は、地上世界の支配者になれるといわれた。



■■■第2章:ワーグナーとチェンバレン


■■イギリス生まれの文化哲学者 ヒューストン・S・チェンバレン


●ヒトラーとワーグナーの関係について語る時に、絶対に無視することのできない超重要人物がいる。

イギリス生まれの文化哲学者であるヒューストン・S・チェンバレンという男である。



●ワーグナーは、「下等な人種」は起源をたどると「類人猿」に行き着き、アーリア人種は「神」に行き着くと考えていた。




ワーグナー作「ニーベルングの指環」

 

●ドイツ帝国が無残に崩壊していく姿を見つめながら、病める哲学者チェンバレンは、次のようにはっきりと「予言」した。

「アーリア的秘儀を現実において『完成』するために必要なのは、ただ剣を手にした恐れを知らぬ純粋な『英雄』だけである。

……塹壕の中から一人の男が現れる。きっと、そこから救世主がやって来るだろう!」

(この「予言」は、のちにヒトラーの出現によって現実化していく……)

 
■■■第4章:ニーチェとチェンバレン


■■『20世紀の神話』の内容


●『20世紀の神話』は、歴史書であると同時に哲学書であり、また神話の書でもあったが、いずれにしても、かなりの技巧を施した苦心の労作だった。

その内容は、次のように構成されていた。

●アーリア=ゲルマン人種、北方人種の優越性、そしてユダヤ人に代表されるとする劣等人種との混交の危険性を説くアルフレート・ローゼンベルクは、『20世紀の神話』において、「人種保護と人種改良と人種衛生とは新しい時代の不可欠の要素である」と断言している。

そして、アトランティスからアーリア民族までが、太陽神話から人種論までが、神秘から戦争までが、目眩く狂気と情熱をもって一気に語られている。彼は「人類的歴史は自然史でもあり、同時に霊的神秘学でもある」という思いに駆られていた。

彼は、アトランティスは実在し、そしてそこがアーリア人種の原郷であると考えていた。

 


 「ナチ党」は、ゲルマンの秘密結社「トゥーレ協会」の
運動を基盤にして誕生した。彼らはドイツ・ゲルマン民族こそ、
伝説の楽園「トゥーレ」に住んでいたエリートたちの血を受け入れ、
「神人」を生み出す宿命を担った「選ばれた民族」だと主張した。

 

 



■■■第6章:ナチスの3番目の聖典である『血と土』


■■人間の「選択的品種改良」と「奴隷制度の確立」を提唱





「ドイツの再農業化は、ドイツ国内で行なわれるのではなく、東方においてナチスが君臨する大ドイツ“生活圏”においてのみ行なわれる。ドイツの農業労働者は、一定の種族を除いては農場主となるか、あるいは、専門的な産業労働者として働くことになろう。……『奴隷制度』の確立なしには、人類文化を、これ以上発展させることはできない。」

「……スラブ人の妊娠能力を破壊すること、これが第一の課題である。ドイツ人支配階層を作り、しっかり根付かせること、これが第二の課題である。これが『東方生活圏政策』の本来の意義である。」



■■■第7章:ナチズムの“秘密教義”


 

●『ヒトラーとの対話』は、あくまで表面的な『我が闘争』や『20世紀の神話』に対して、ナチズムの秘密戦略、その究極の目的、そしてその根底をなす魔術的世界観がヒトラー自身の口からあますところなく語られている。

オカルト・ファシズムの核心ともいうべき狂気の生体進化論やフリーメーソン論など、そのあまりの過激さゆえ、ドイツでは今なお発禁図書である。




■■アーリア人種と劣等人種


●ヒトラーはかつてこう語っていたという。

「あらゆる知識に先行する単純な問題は、誰が知ることを欲しているのか、誰が外界の研究を欲しているのかということである。このことによって、常に特定の人種の科学、特定の時代の科学しか存在しえないということが、必然的なことになる。

自由主義的、ユダヤ的科学に対立せざるをえぬ北方ゲルマンの科学、ナチズムの科学が、ここに現出するのは歴史的必然なのである。」

「我々は、道徳思想と人間の精神的志向の凄まじい革命の出発点に立っている。我々は自然について、神性について、姿なきものについて、デーモン的なものについての神秘的知覚を学ばねばならぬ。

世界を魔術的に解釈する、知性ではなく意志の観点から解釈する新時代が近づきつつある。」


●ヒトラーにとっては、真に優れた人種はアーリア人だけで、それ以外はすべて劣等人種に属するが、なかでもユダヤ人は「もっとも警戒すべき劣等人種」であった。


 
ヒトラーは演説の中でそう語り続け、ナチス時代のドイツ人を、ユダヤ人迫害の渦の中に巻き込んでいったのだった。彼の理論によれば、ドイツ民族の優秀性を守る道はただ一つ、ユダヤ民族の“駆逐”だけであった。

 

  

■■■第8章:ナチズムと『ヨハネの黙示録』


■■ヒトラーの「千年王国思想」は『ヨハネの黙示録』が源泉


●ヒトラーの言葉に「ナチスは千年の長きにわたって帝国を築く」がある。

この言葉の根底には、新約聖書の『ヨハネの黙示録』の中にある「千年王国」の思想があるように思われる。この「千年王国思想」はヒトラー思想の核心だとしても問題はないであろう。(いわゆる『ヨハネの黙示録』は“聖書の中の聖書”と呼ばれ、旧約および新約聖書のエッセンスがこの1冊に集約されている)。


●ヒトラーは、世界統一政府(新ローマ帝国)ができたとき、「天からエルサレムが下りてくる。千年王国が始まるのだ」と言っていた。

これは黙示録の内容そのものである。
 
ヒトラーはある昼食会で、こうスピーチしていた。

「巨大な変動によって、突如、世界は別のものになると『ヨハネの黙示録』は教えている。

然り、世界史は突然、終焉する。世界は終わるのだ。我々の革命は新たなる一段階、というよりはむしろ、最終的には歴史の抹殺に至ることになる一つの進化の決定的段階なのである。」


●ラウシュニングは著書の中で語る。

「絶えずヒトラーの言葉の中に出てくるテーマは、彼が〈世界の決定的転換〉とか〈時間のちょうつがい〉と呼んでいたところのものである。つまり、我々のような密教の奥義に達していない者には完全に理解できない一大変異が生じるというのだ。

ヒトラーはまるで千里眼か賢者のような調子でしゃべっていた。

彼は自分が隠れた力を持っており、その隠れた力から人類に新たなる福音書を告示する、超人間的な天職を授かっていると信じ込んでいたのだ。」

この〈世界の決定的転換〉とか〈時間のちょうつがい〉という考え方も、実は『ヨハネの黙示録』にその源を持っている。

 

■■「ラグナロクだよ、神々の黄昏だ」


●ところで、ヒトラーの終末思想は、ただ単に破滅を強調するものではなかった。それを「人類の進化の決定的段階」ととらえているところが特徴的であった。

ヒトラーはナチスのインナー・サークルの中でこう語っていたという。

「ラグナロクだよ。神々の黄昏(たそがれ)だ。神々と世界は、かつてそうであったように、やがて人類とともに壮絶な炎の中に滅び去る。一切が終わるのだ。

だが、一切が終わった後、一切が再び新しく始まる。その日のことを、きみたちは思い浮かべたことがあるかね。」


●そして彼は自分の終末論を『ヨハネの黙示録』に沿って展開する。

「いいかね、2つの世界が互いに対峙しているのだ。

ユダヤ人は反人間、反人──我々とは何か別の神の創造物なのだ。人類の別の根から生えてきた存在にちがいない。彼らとの戦いは、だからまた神々の戦いでもある。ユダヤ人との間においてのみ、世界支配のための戦いが戦い抜かれるのだよ。」

ヒトラーは驚くことに、ユダヤ人との戦いを「霊的領域の戦い」ととらえていたのである。

「彼ら(ユダヤ人)は獣たちが真の人類とは全くかけ離れた存在であるのと同様に、我々には無縁の者どもなのだ」と、ヒトラーはラウシュニングに言っている。


ヒトラーの終末思想は、ただ単に破滅を強調
するものではなく、「人類の進化の決定的段階」と
とらえているところが特徴的であった


■■異様な宗教的情熱に取り憑かれていたヒトラー


●『ヨハネの黙示録』によれば、キリスト再臨とそしてその後に現われる神と人が住む天国──千年王国を地上に招来するには、いかなる形であれ「終末」を避けることはできない。
しかしこれは逆に、わざと地上を破滅的な「終末」状態にすることによって、強引に千年王国を達成させる方法も可能ではなかろうか、という悪魔的な解釈の存在を許すきっかけにもなっている。

現在のカルトの中にも、こう解釈している団体が存在する。自分たちがあえて“悪魔の役”を引き受けて破滅活動を推進し、結果的にそれによって神の到来を呼び起こして世界を救うという考えだ。

しかし一旦、この考えに取り憑かれたら、正常な理性を取り戻すのは難しいだろう。なぜならば、それがいかに破壊的で非人道的なものになろうとも、それが正しいか否かは最終的に「神」のみぞ知るという心境になるからだ。世俗的な道徳感が一切通用しない世界観なのだ。理性を麻痺させた未来観といってもいいだろう。


●ヒトラーは第二次世界大戦を開始する前の比較的平和な時期に、側近グループに次のようなことを語っていた。

「天意は、私を最大の人類解放者に定めた。私は自分の命がもはやなくなったときに、初めて、秘儀としてこれを達成するつもりである。そのとき、何か、途方もなく巨大な出来事が起こるであろう。何か圧倒的な啓示である。その自己の使命を果たすために、私は殉死せねばならないのだ。」


この異様な宗教的情熱に取り憑かれていたヒトラーは、第二次世界大戦を起こすことで、本当に自分の目的が完璧に果たされると考えていたのだろうか。本当に地上に真の平和な人類の理想社会〈ユートピア〉が訪れると考えていたのだろうか。
 

■■■第9章:「新人類誕生」の実現を目指していたヒトラー


■■「人間とは生成途上の“神”なのである!」


●ヒトラーの人種・民族思想には、もうひとつの側面があった。

それは極めて魔術的な思想であった。すなわち「超人思想」である。


「天地創造は終わっていない。少なくとも、人間という生物に関する限り終わっていない。人間は生物学的に見るならば、明らかに岐路に立っている。」

 



 

●人間はまだ“進化”の究極段階には到達しておらず、いま、もうひとつの進化の分岐点にある。

ヒトラーはそう考えており、更に“新人類誕生”の予感さえ語る。

「新しい種類の人類が、いまその輪郭を示し始めている。完全に自然科学的な意味における突然変異によって、である。

これまでの“古い人類”は、必然的に衰退の段階に入り、創造力は全て新しい種類の人間に集中することになる。……そう、人間が“神”となる。これこそ、ごく明快な意味なのだ。人間とは生成途上の“神”なのである!」

彼は続けていう。

「人間は、自己の限界を乗り越えるべく、永遠に努力しなければならない。立ち止まり閉じこもれば衰退して、人間の限界下に落ちてしまう。半獣となる。神々と獣たち。それが根源だ。

組織もまた、同じだ。立ち止まり、古いものに固執する組織は衰退し没落する。しかし、人間の根源的な声に耳を傾ける組織、永遠の運動に帰依した組織、それは新たな人類を生み出す使命を受けているのだ。」

 

  
ナチスに育て上げられたドイツの若者たち

ヒトラーは詰め込み教育を有害なものとしており、知的活動の
総ては統制されなければならないと主張し、「ドイツの男子青年は
各自が戦士のような身体をつくること」を提唱していた

 

●「歴史は螺旋(らせん)状に進化する」──ヒトラーはそういう歴史観の持ち主であった。

彼はいう。

「人間の太陽期は終焉に向かいつつある。新しい種類の最初の偉大な人間像の中に、今日でもすでに来たるべきものが告知されている。

古代北方民族の不滅の知恵によれば、古きものが神々とともに没落することによって、世界は繰り返し若返っている。秘儀に通じた者のみが、全てが不断に変貌しつつあることを知っているのである。」

「太陽の回帰点が、彼らにとって永遠の進歩という直線でなく、螺旋(らせん)状の生のリズムの象徴と見なされているように、いまや、人間は、見かけは後戻りしているが、これはさらに一段高く昇るためなのである。」

 



 


■■「救世主(メシア)」──キリストの再臨について


●ヒトラーはキリスト教徒やユダヤ教徒が昔から強い関心を持っている「救世主(メシア)」については、次のように述べている。

「(世界の終末が進むと)人間はイエス・キリストやヤハウェに頼るようになる。しかし、そんなものは来ない。ユダヤやキリスト教の幻想だ。私ははっきり言うが、そんな『救世主』は本当に来ないのだ!

その代わりに人類は、苦しまぎれの突然変異で、救いの超人や神人を生み出す。彼らや彼女たちは、知能が数次元高いだけではない。外見は人間とあまり変わらないが、人間にとっては危険な、どんな毒や殺人光線を浴びても生きていられる。神経も内臓も、人間と違う次元に進化してしまうのだからね。」


●ヒトラーによれば、人類の救いとは、「神」が我々に手を差し伸べて近づいてくる(降臨する)のではなく、我々自身が「神」に近づく(神化する)しかないのだ、というのだ。これを象徴するものとして、先に紹介したヒトラーの次のようなセリフがある。

「人間とは生成途上の“神”なのである!」

 



ヒトラーの「超人思想」によれば、人間はまだ
“進化”の究極段階には到達しておらず、いま、
もうひとつの「進化の分岐点」にあるという

 


■■“新人類創造”の夢に支えられていたヒトラーの活動


●結局、ヒトラーにとって『我が闘争』は自分の信念をそのまま書いたものではなかった。その証拠に、後年、側近のシュペーアに「あんなものは読む必要がない」と語っているのである。つまりドイツ国民を戦争に駆り立てるための宣伝物だったと認めていたのである。

更にヒトラーは他の側近にこんなことまで言ってのけていた。
 
「私は都合上、ナショナリズムの気運を盛り上げねばならなかった。しかし『国家』の概念は一時的な価値に過ぎないことを既に知っていたのだ。

ここドイツにおいてさえ、ナショナリズムとして知られているものが存在しなくなる日がやがて来る。それに代わって世界に君臨するのは、大師、大君主からなる普遍的な社会である。」


●ヒトラーの死後、側近の一人は次のようなことを語っている。

「ヒトラーの目的は“支配者の種族”の確立でもなければ、世界の征服でもなかった。これはヒトラーが夢見た大事業のための単なる『手段』にすぎなかった。

……ヒトラーの真の目的、それは“創造”を行なうことである。神の事業を、つまり『生物学的変異』を実現することにあったのである。この結果、人類は天上に昇ることになろう。いまだかつて前例を見ない半神半人の“英雄現出”こそ、彼の究極の目的だったのである。」

ヒトラーが執念を燃やしていた悪魔的な医学実験の数々は、そうした“新人類創造”の夢に支えられていた。彼は世界に隠されていた全ての知識=「エデンの秘密」を知ることを欲し、世界各地にオカルティックな情報網を張り巡らせていた。彼は一種の宗教的情熱に駆られていた。まるでルシフェル的階段を駆け上っていくかのように。


 
ヒトラーは恐れおののくラウシュニングに言った。

「これでナチ運動の深さが理解できたかね。これよりも偉大で、包括的な運動がほかにありうるだろうか。ナチズムを政治運動としか理解せぬ者は、実は何も知らぬに等しい。ナチズムは宗教以上のものなのだ。それは新しい人類創造の意志なのである。自分とその組織は、神に等しい新人類を創造する使命を受けているのだ。」
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2009年09月10日

時はなぜ一方向なのか:観察者問題から説明

学術論文を読んでいると、時々、これを掲載した編集者たちは「ソーカルされて」いるのではないかという疑問にかられることがある。つまり、いかにも科学的な言葉を並べたニセ論文にだまされているのではないか、という意味だ(「ソーカルされる」なんて言葉はないって? なら是非ともそういう言葉を作るべきだ)。

[ソーカル事件とは、ニューヨーク大学物理学教授だったアラン・ソーカル(Alan Sokal)が起こした事件。数学・科学用語を権威付けとしてやたらと使用する、フランス現代思想系の人文評論家たちを批判するために、数式や科学用語をちりばめた疑似哲学論文を執筆し、これを著名な評論誌に送ったところ、見事に掲載された事件]

今回読んだ論文もそうだった。いくつかの研究室を渡り歩き、現在はマサチューセッツ工科大学(MIT)に籍を置く物理学者のLorenzo Maccone氏が『Physical Review Letters』誌に発表したその論文は、物理学の最も厄介な問題の1つ――時にはなぜ方向があるのか――を解明したと主張するものだ。

少し補足説明しておくと、あらゆる物理法則は時の向きに左右されない。つまり、時を前に進めても後戻りさせても、何の違いも生じない。それでも、われわれが経験する時間は1つの決まった方向にしか流れないが、物理学から言えば、そこには何の理由もないのだ。[時間をtとし、「t」→「マイナスt」という変換(時間反転操作)に対し、元の方程式が形を変えない、あるいはその方程式が表わす運動が実際に存在する時に、その方程式は可逆(時間反転対称性がある)と言われる。ニュートン力学や相対性理論の基本公式は、時間の正負を逆転しても成立する時間反転対称性を持つ]

ただし、これには例外がある。閉鎖系において常に増大するエントロピー[物質や熱の拡散の程度を表すパラメーター]だ。エントロピーは不可逆的な物理過程に基づいており、時間を逆戻りさせても元の状態に戻すことはできない。しかし一方で、不可逆的な現象の発生を可能にする物理法則は存在しない。すなわち、エントロピーが常に増大することは経験的には観察されているにもかかわらず、エントロピーの増大を可能にする既知の不可逆過程は存在しないわけだ。

[Guardianの記事によると、エントロピーの増大が観測される物質系は個々の粒子から構成されているはずだが、それらの粒子の運動を規定する法則自体は不可逆なものではないというパラドックスが存在する。

通常は、このような不可逆性の原因を熱力学から説明し、「力学的あるいは電磁気的なエネルギーは熱に転換できるが、熱エネルギーは力学的あるいは電磁気的なエネルギーへ完全には転換できない」ことによるとされている。例えば惑星の公転などを質点の運動として表した力学系は可逆性を持つ。だがこの力学系は現象の近似であり、星間物質との摩擦や太陽の核反応の進行などを考慮すれば、可逆性は成り立たない]

Maccone氏は、相関の要素に目を向けることで、この問題を少し違った観点から捉えた。

たとえば筆者が、エントロピーをわずかに増大させるような何かを行なうとする[部屋を散らかすという意味]。そして筆者の妻は、筆者の行為の結果を観察し、それにより生じたエントロピーの増大を記録する(行為の結果、散らかったものを片付ける役目はほかの誰かに任せるとしよう)。

さらに筆者は、エントロピーを元の低い値に戻せる一連の手順を選択できるとする。ただしそうするには、自分の行為を元に戻すだけでなく、すべての相関系を元に戻す必要がある。つまり、起こった出来事とそれを記録したことに関する妻の記憶も消し去らなければならないわけだ。妻が記録を紙に書きとめていたのなら、それも消して白紙に戻さなければならない。しかし、このように作業を続けていけば、最終的にはその出来事が実際に起こったという記録はどこにも存在しなくなるはずだ。

要するに、エントロピーを減少させる出来事は起こり得るが、それを「系の中から観察する」のは不可能というわけだ。この理屈を、おそらくは1つの閉鎖系であるはずの宇宙全体に当てはめることもできる。宇宙全体のエントロピーを減少させることは可能であっても、われわれはその系の中にいるため、そのような出来事を自ら観察することはけっしてできない、というのだ。

このことが、「時間の矢」[時間が過去から未来へ向かってしか進まないこと]の問題をどのように解き明かしているというのだろうか。

簡単に言うと、時間が1つの方向に流れることは、記録が保存され、出来事が観察されることを可能にする。しかし、流れる方向が逆になると観察することはできない。したがって、時間は2つの方向のどちらにも流れ得る(ひょっとすると、同時に両方へ流れている可能性もある)が、あらゆる観察者(必ずしも人間とは限らない)にとって、時間を経験するということは、時間が未来へ向かって流れている場合にのみ可能となるのだ。

われわれは、インチキ論文に騙されているのだろうか? おそらく、そうではないだろう。Maccone氏は変わった経歴の持ち主だが、間違いなく物理学者であり、これまでにも関連するテーマで論文を発表している。それにしても、この論文を読んでいる間、筆者の頭に浮かんだイメージは実に面白いものだった。

[Guardianの記事は、Maccone氏の論への反論も含めてこの研究を紹介している]

posted by ubermensch at 21:52| Comment(0) | 哲学宗教系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『テトリス』で脳が成長:皮質の厚みも増す

ゲーム『テトリス』をプレイすると脳の働きが活性化することが、新たな研究結果から明らかになった。

この研究報告は、テトリスのメーカーが資金を提供し、ニューメキシコ州にあるMind Research Networkの研究員たちによってまとめられたもの。オープンアクセス誌『BMC Research Notes』に9月1日付けで発表された論文によると、この名作ゲームをプレイすると、調査対象者たちの脳に、2つの異なる影響が起きることが確認されたという。

この研究では、十代の女性のグループを対象に、テトリスをやり始める前と、3ヵ月間練習をした後でMRIによる脳の断層撮影を行なった。[Science Dailyの記事によると、26人の少女に3ヵ月間にわたり毎日30分ずつテトリスを練習させた]

この結果、脳内のある部分では活動効率が増し(上の図で青くなっている部分)、別の部分では皮質が厚みを増す、つまり灰白質[神経細胞の細胞体が存在している部位]が増えたことが示された(赤くなっている部分)。[青い部分は右前頭葉や頭頂葉で、思考や言語などをつかさどる部分。赤い部分は前運動野などで、多感覚統合や複雑な動作の統合に関わる部分とされる]

今回の研究を行なった研究者たちは、ビデオゲームのような「視野空間に関連する作業に挑戦する」ことに集中すると、脳の活動が活発になるだけでなく、脳の構造そのものも実際に変わりうると言っている。

共同研究者のRichard Haier博士はこの研究について、「テトリスのプレイヤーが、ゲームだけではなく一般的な他の行動に関しても永続的な効果を得られることを示す」かもしれないと話す。たとえば、ゲームなどの活動に従事することが、高齢化に伴う脳の衰えを防止するのに役立つ可能性があると同氏は指摘している。

[ロンドンのタクシー運転手の脳(海馬部分)は特別に発達しているという研究があるように、成人後も学習行動で脳が発達・構造的にも変化することが知られている]

posted by ubermensch at 21:43| Comment(0) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

GODについて

みなさん。こんにちは。GODへようこそ。

ubermenschです。(もしかしたらdemiurgeに変えるかもしれん)

とりあえず秘密結社GovernmentOfDarknessは
(ちなみに元ネタは「仮面ライダーX」である)



GODの名のとおり、
“神として君臨する暗黒政府”ということで、、、

ん〜結局よくわからん組織なんだな〜これが。





世界征服し、全てを手に入れ、理想郷を築くか?

最強最悪の国際指名手配組織となるか?

それとも世界を終焉へ導くか?


目標は2039年。

まだその方法を模索中だが、
まずは裏の世界情勢、隠蔽された超科学技術、ハッキングなどの闇技術などの研究を活動の中心においています。



みんなコメントよろしく頼む。
掲示板も忘れないでくれb


夢とロマンを携えて、物語は幕を開ける・・・・・・・・

posted by ubermensch at 21:36| Comment(0) | はじめに | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月04日

特定の対象だけに声を届ける広告板と、「神の声」兵器

人の脳そのものに声を伝え、神に語りかけられたと思い込ませる装置、いわゆる「神の声」兵器は、軍事の世界では都市伝説となっている。

防衛関係のワークショップで定期的に触れられては、決まって誰かが既に実用化されているとひそひそ話しだすのだ(皮肉なことに、私がこの装置を知った防衛関連の会議は、ブログ『Danger Room』の共同執筆者であるNoahに出会った場所でもある[旧約聖書に登場する「ノア」は、神が大洪水を起こしたとき、「神の声」を聞いて箱舟を造った])。

Steven Corman氏は、最近の『COMOPS Journal』の記事で、この都市伝説との遭遇を詳述している。記事から引用する。

この前、政府のワークショップで、「アラーの声」という新しい装置の説明を聞いた。遠くから1人だけにメッセージを伝える装置だという。

イラクで反乱軍の1人をターゲットにテストしたところ、その1人が急に辺りをきょろきょろ見回し、メッセージを聞いていない仲間たちと激しいやりとりを始めた、という話だった。私は半信半疑でこの話を聞いた。

この技術の原理は? 米Holosonic Research Labs社と米American Technology社はそれぞれ、音を特定の方向に導く技術を持っており、いずれも集団の1人だけにメッセージを聞かせることができる。

米国防総省の国防高等研究計画庁(DARPA)も、音を発射する技術(日本語版記事)を開発しているようだ。

米軍が長距離音響装置(LRAD)を神の声兵器として使っているという興味深い報告もある。『Strategy Page』から引用する。

イラクに駐留する複数の部隊が、LRADの「話し声」(「耳をつんざく音」ではない)で敵をもてあそんでいるようだ。イスラム教徒のテロリストは迷信にとらわれる傾向があり、当然ながら信心深い。LRADを使用すれば、彼らの頭の中に「神の言葉」を送り込むことができる。もし、自分にしか聞こえない声で、神から降伏や退散を命じられたら、どうするだろう?

Corman氏も紹介しているように、『CNET』は最近、ニューヨークにある広告板に、同様の技術が使われたと伝えた。米A&E Television Networks社のテレビ番組『Paranormal State』を宣伝するものだ。

[広告板の上に特殊装置が付いており、前を歩く人にフォーカスされた「声」を聞かせる仕組み。"Who is there?"という声の聞こえる様子を伝える動画はこちら。

この広告は、前述したHolosonic Research Lab社の『Audio Spotlight』技術を使っている。ワイアード過去記事(日本語版記事)によると、この技術は、人間の可聴範囲の上限である20キロヘルツを大きく超える60キロヘルツ域の超音波を発することで、ターゲットを絞ったコントロールを可能にしている。この超音波は、空気との相互作用で可聴音に変わる。作り出したい音の波形から「リバース・エンジニアリング」することで、発生させるべき適切な超音波信号を決定するアルゴリズムを利用している。]

音を特定の方向に指向させる技術のさらに上を行く技術が、マイクロ波聴覚効果(フレイ効果)として1960年頃から知られている技術だ。[マイクロ波を(レーダーのように)パルス波形にして人に照射すると、音を聞く事ができる現象。通常の音波が聞けない聴覚障害者でもこの音は聞こえるとされる。瞬間的なエネルギー吸収によって組織がわずかに熱膨張して弾性波が生じ,これが聴覚器官によって感知される現象とされる(PDF)。]このマイクロ波によって作り出される音は、頭の中から発せられたように聞こえる。ブルックス空軍基地でマイクロ波に関する極秘の研究が進められているという噂が絶えないが、米空軍は頑固に口を閉ざしている。

このようなことを考えてくると、「神の声」兵器や「アラーの声」兵器のことを考えずにはいられない。真実なのか? それとも、でたらめか? ある防衛関係の記者から聞いた話によると、アラーの声が聞こえるだけでなく、アラーの姿がホログラフィーで頭上に見えるという(アラーの外見は誰が決めるのだろう?)。

では、この兵器は実在するのか? 私には分からない。ただ、防衛関連の会議でこのテーマが取り上げられたとき、誰一人として、ある明白な疑問を口に出さないのは面白い。その疑問とは、この装置で人々は本当に神に語りかけられたと信じるのだろうか、というものだ。私は信じないと思う。

posted by ubermensch at 01:07| Comment(1) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

謎の米軍施設『HAARP』、公文書が認めるその能力は

ここ数年、陰謀説派が最も激しく憶測を展開した対象といえば、米軍がアラスカで展開している軍事プログラム『高周波活性オーロラ調査プログラム』(HAARP)をおいてほかにない。

アラスカにある莫大な数の送信機、電波探知機、磁気探知機は、何らかの超強力兵器だ――ここ数年飛び交ったそんな憶測を、米国防総省は鼻先であしらってきた。

だが、最近明らかになりつつある情報から判断すると、陰謀説派がまったく的外れというわけではなかったようだ。

HAARPに対しては当初から、具体的に何をしているのかについて数多くの意見が出ていた。マインド・コントロールのための巨大施設、高高度核爆発への対抗手段、天候を制御する装置、電離層を沸騰させるマッドサイエンティストの実験、究極の無駄な公共事業など、さまざまな噂が飛び交っていた。だが、HAARPが実際に稼動を始めた現在、軍の上層部は、アンテナが林立するこの施設の用途は、人々の憶測よりも穏当なものだ、と述べている。米空軍研究所のある関係者は10月、「HAARPの主な役目は電波を作り出し、電離層を調査することだ」と述べた(日本語版記事)。

それは事実だろう――ある程度までは。

情報自由法(FOIA)を利用してUFO関連文書の発見を目指す、『X-ファイル』を地で行くような陰謀説サイト『Above Top Secret』で、Clifford Stone氏の尽力により、『HAARP: Research and Applications(PDFファイル)』という詳細なレポートの開示へとつながった。

この文書は、表紙に「空軍研究所と米海軍研究局(ONR)の共同プログラム」と書かれており、軍がHAARPで意図している用途について説明している。明らかなのは、国防総省はこの施設から、軍事利用できる成果を得たいと考えているということだ。

HAARPは実際、上層大気や磁気圏、電離層に電波の干渉を引き起こすなど、軍事的に重要な能力を数多く持っている。



文書には、「高周波帯(VHF/UHF)での電離層横断伝播は、多数の民生・軍用の通信システム、監視システム、遠隔探査システムすべてにかかわる事象だ」と書かれている。つまり、電離層に混乱を与えることで、超短波ラジオ、テレビ、レーダー信号を意のままに無効化できるわけだ。アマチュア無線をやっている人なら知っているように、電離層の反射・屈折作用は、長距離無線の受信に大きな影響を与える。HAARPは、それを人工的に起こす唯一の手段を提供するのだ。

文書で興味深い第2の点は、HAARPが「オーロラの電気力学的回路」に対し影響を及ぼすことができる、という部分だ。オーロラ中には、10万〜100万メガワットの電気の自然流があり、10〜100ヵ所の大規模発電所で発電する電気に相当するという。電離層の電気特性に手を加えるということは、つまり、スイッチ1つで電気の巨大な流れをある程度変えられるということだ。有効に機能するなら、電気の自然流を変調させて、巨大な低周波無線送信機を作ることもできるだろう。

これは、軍部にとって極めて興味深い点だろう。極低周波(ELF)は、海中での通信や惑星の探査に利用できる。こうしたELFの伝播特性により、HAARPは「地球のかなりの部分」をカバーできる。文書によると、ELFは「地下の標的を検出すること」は言うまでもなく、「海底探査」に使用して海底鉱山を発見することさえ可能だという。

HAARPはまた、電離層で「エネルギー粒子の降下を誘発」し、「衛星の活動と寿命に影響を及ぼす」こともできる。この分野の研究は、太陽フレアや核爆発による粒子から衛星を保護することを目的としているとされるものだが、この説明からは、衛星にささやかな悪影響を与えることも可能だ、ということがうかがえる。

HAARPはまた、高周波帯でいくつかの有用な裏技も持ち合わせている。たとえば、「現状では微弱か皆無であるような地対地の通信リンクや衛星対地の通信リンクを強化する」ことも可能だ。電波反射層を作り出せるということは、つまり、無線やレーダーで非常に長距離をカバーするシステムが可能になるということだ。さらにHAARPは、自ら高周波レーダー送出装置として機能することさえ可能だ。

第3の注目点は、光学および擬似光学に関するものだ。HAARPは空を明るくすることができる。高高度のプラズマ生成の応用については以前にも検討したが(対ミサイル防衛の可能性など)、HAARPの場合、人工プラズマにより「赤外線の波長領域でメガワットの電力の大気光」を作り出せると文書に書かれている。

これは、「赤外線探査とその対抗手段に関して、軍事的に重要な意味」を持つ。これを説明する図は、衛星の下に赤外線の光を示しており、このシステムで赤外線衛星の視界を選択的に遮断できることを示唆している。赤外線衛星は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を発見する最善の手段となっているため、これは重要な能力になり得る。

総じて、HAARPは基本的な研究にとどまらない、実に多くのことが行なえる施設だということが分かった。天候の操作に比べたら大したことではないような気がするかもしれないが、忘れないでほしいことがある。文書に記載され、ここで紹介したHAARPの能力は、軍部が公開することをいとわない一部でしかないのだ。

posted by ubermensch at 01:06| Comment(0) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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