2009年09月20日

2人で世界を征服する方法

まず誰か1人でいいので、自分と意を同じくするか、自分の言いなりになる人間を連れてくる。*1
その2人を含む3人で、多数決で全てを決する1つ目の秘密結社を作る。
その3人を含む5人で、多数決で全てを決する2つ目の秘密結社を作る。
その5人を含む9人で、多数決で全てを決する3つ目の秘密結社を作る。
n番目の秘密結社は2^n+1人を支配できる。
 世界の総人口はいまちょっとググったところでは約67億人。

2^10 = 1024 ≒ 10^3
2^33 ≒ 8*10^9 > 67*10^8
 だから、33段階の秘密結社を通じて全人類を支配することができる。めでたしめでたし……という話が何の役に立つだろうか?

 世界で最も大きな組織には何段階の階級が存在するでしょうか?

 というフェルミ推定の問題が出されたときに役に立つかも知れない。実際には全人類は1つの組織に統一されていないし、各階層が単純多数決というもっとも効率が悪い*2と思われる意志決定方法であってこの数なので、現実の組織に必要な階層数はこの推計よりかなり少ないと思ってよいだろう。

 たとえばアメリカ合衆国大統領からイラクのどこかで哨戒中の二等兵に何か命令を伝える必要が生じたとする*3。途中で何回命令を受け渡す必要があるだろうか? 直接つまり1ということはなさそうだというのは常識でわかるが、上限について何か推定できることがあるだろうか。ここで33より多くなることは絶対にありえないと断言してよさそうである。

DSI 米軍階級
 答え合わせにちょっとググってみる。概ね妥当と言ってよさそうである。

*1:ここがクリアできない人は世界征服などという大それた野望は諦めよう!
*2:全構成員数に占める意志決定に必要な人数の割合が多いという意味で。社会的政治的な価値とはなんの関係もない。
*3:実在する巨大組織の例として最初に思いついたのが米軍だっただけなので自衛隊でも人民解放軍でもマイクロソフトでも好きなように置き換えてもらって構わない。

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2009年09月19日

不完全世界征服マニュアル

今から最短経路で、世界征服を行う具体的な方法とは何だろうか?

強力な軍隊を編成すること?

株価を操作して、世界経済を牛耳ること?

あるいは来るべきネットワーク社会に備えて強力な人工知能を開発し、電脳世界を支配すること?

それとも、あらゆる物質の組み替え可能な自己増殖型ナノ兵器を開発して、人類を恐怖に陥れること?

いや、上のどの方法もライバルが多く、幾多の競争に打ち勝って絶対的優位を確保しない限り、

世界征服の礎を盤石のものにはできないだろう。

もっと、現時点で競争相手がおらず、確保すれば絶対的な有意が保てるような、

未開のフロンティアは無いものだろうか。

ある。

未開のフロンティアは、宇宙にある。

21世紀初頭の現時点で、最も着目すべき空域は「太陽と地球の間の空間」である。

地球上の暮らしは、そのほとんどが太陽に依存している。

もし太陽が失われてしまったたら、人類をはじめ、地球上の大半の生命は死滅する。

(生き残れるのは地熱を利用して生きる、ほんの一握りの生物だけだろう。)

もし太陽をコントロールすることができれば、この地球上で逆らえる者はほとんどいない。

どうやって太陽をコントロールするか。

簡単なことだ。

太陽と地球の間に、大きな反射板を置けばよい。

もしここに大きな鏡を置いて、地球に降り注ぐ太陽光線を全てカットしてしまえば、

地球はたちまち凍った死の星になってしまう。

地球を凍らせるには、なにも太陽光線を100%カットする必要は無い。

50%、いや、1%カットするだけでも、地球上には大異変が起こるであろう。

逆に、地球と太陽の間にレンズを置いたらどうななるか。

あるいは、外宇宙に散らばる太陽光線を集める反射板を置いたらどうなるか。

地球を焼き尽くすことなど、造作もない。

もちろん地球全体を焦土と化す必要はない。

己にたてつく反乱者の土地に向けて、ほんのちょっとだけ、レンズの焦点を合わせるだけでよい。

地球と太陽の間に割り込むような宇宙ステーションを、ひとたび建造してしまえば、

その拠点を覆すのはほとんど不可能に思える。

仮に2番手が宇宙ステーションを建造しようとしても、一番手が気付かぬはずはないだろう。

2番手が地球から資材を打ち上げようとする時点で、その計画を阻止することができる。

たとえ宇宙空間に出られたとしても、2番手が宇宙ステーションを完成させる前に、

1番手が2番手を焼き尽くすことは簡単だ。

技術的な問題は、宇宙ステーションを常に地球と太陽の間に「静止」させることだろう。

地球より内側に位置するステーションは、地球より短い公転周期を持つので、地球よりも先に進んでしまう。

しかし、心配ご無用。

太陽を有するステーションには、ほぼ無尽蔵にエネルギーがある。

光子セールを張って、太陽光の力で自在に宇宙空間を航行すればよいではないか。

さらに、この問題は太陽の周囲をリング状にぐるりと一周するステーションを建造すれば解決する。

あるいは、一周とまでは行かなくても、死角が無いように複数の宇宙ステーションでカバーすれば、

もはや敵無しである。

問題は、どうやって1番目のステーションを建設するかである。

まさか「世界征服のために宇宙ステーションを建設します」と言ったら、

誰も賛成しないだろう。

そこで、無知な地球市民を騙す名目が必要となる。

第1の名目は「太陽発電」。

エネルギー枯渇が騒がれ、年々高騰する化石燃料に代わって、

「安全でクリーンな」太陽発電所を建設する必要がある。

太陽発電所はちまちまと地上に建設しても良いのだが、

いっそ宇宙に巨大なものを建造すれば、人類のエネルギー問題は一挙に解決するだろう。

この巨大太陽発電所から地上に向けて電力を送るのは、

強力なマイクロウェーブを通じてとなるだろう。

ところが、このマイクロウェーブはほんの少し調整すれば、恐るべき殺人光線に早変わりする。

電子レンジを何万倍にも強力にしたようなものだ。

続く第2の名目は「気象コントロール」。

温暖化や砂漠化など、異常が続く地上の天気を、宇宙ステーションからコントロールするのである。

もし地上が暑すぎたなら、窓のブラインドを下げるように、

宇宙ステーションの日差しをほんの少し広げればよい。

反対に、極寒の地に日差しを送って、緑野に変えることも夢ではない。

こういった「エネルギーの最も効率的、かつ合理的な再分配」という名目で、

巨大太陽発電&気象コントロールステーションは、遅かれ早かれ建造されるものと思われる。

そのときが千載一遇のチャンスだ。

初めのうちはおとなしく、羊の皮を被ってステーションの建設を進め、

完成した暁には、狼の牙をむく。

一度暴走を開始した太陽ステーションは、もう誰にも止められない。

こういった太陽の「有効活用」を、かつて考えた人はいないのだろうか。

そんなことはない。

天才物理学者、フリーマン・ダイソンという人が、太陽エネルギーを余すところなく活用する方法を考えている。

名付けて「ダイソン球」。

ダイソン球とは、いっそ太陽そのものを卵の殻のような建造物で覆い尽くし、

外宇宙に無駄に捨てられていたエネルギーを、余すところなく利用しよう、

という壮大な試みのことだ。

これは極めて合理的な発想だ。

(ちなみにこのダイソンという人、ファインマン、朝永振一郎、シュヴィンガーらと

時を同じくして「くりこみ理論」に携わっていたのだが、

ノーベル賞は3人までだったのでもらい損ねたのだとか。)

我々の太陽も、最終的にはダイソン球で覆い尽くすのが良いかと思われる。

そこで、最初の太陽コントロールステーションで当面の支配を確保した後で、

地上の人民を奴隷のようにこき使って、一大建設事業に乗り出そう。

こうしてダイソン球が完成してしまえば、もはや太陽系に支配を揺るがす存在は何もなくなる。

ひょっとすると、過酷な重労働を嫌って、反乱軍が木星の裏側あたりに集結するかもしれない。

そのときには、

「ウワッハッハ、虫けらどもめ、小賢しいわ〜!」

とか言って、木星ごと吹き飛ばしてしてしまおう。

ダイソン球のパワーを持ってすれば、惑星の1つや2つ、吹き飛ばすのはいともたやすい。

こうして太陽系には、ダイソン球を中心とした帝国が完成することになる。

もはや太陽系内で、帝国の支配から逃れる術はない。

支配を快く思わぬ人たち、あるいは反乱軍は、ステルス移民船か何かを建造し、

こっそりと太陽系を抜け出すことになるだろう。

行き先は最も近い恒星群、アルファ・ケンタウリ。

外宇宙に活路を見出した人たちは、太陽系のことは忘れて、新天地で平和に暮らしてゆくのだろうか。

あるいはそうかもしれない。

しかし、人の恨みのパワーを侮ってはいけない。

恐らく、九死に一生を得た人たちは、木星を吹っ飛ばされた恨みを決して忘れることなく、

太陽系に対して報復攻撃を企てるに違いない。

反乱軍は、新天地で宇宙艦隊の建造を行うだろうか。

そんな悠長な手段はとらないだろう。

復讐のパワーで、アルファ・ケンタウリを取り巻くダイソン球を一気に完成させるに違いない。

アルファ・ケンタウリ、ベータ・ケンタウリ、プロキシマを合わせれば、

太陽系に対して絶対的な優位に立てる。

そして、全てのダイソン球が完成したら、全ての星の出力を合わせて、

太陽系に対して念願の報復攻撃を行おう。

名付けて「ダイソン・ビーム」。

その威力は惑星破壊砲をも遙かにしのぎ、恒星にさえ影響を及ぼすという。

デス・スターも真っ青だ。

来るべき恒星間戦争では、艦隊戦といった悠長でまだるっこしい手段はとらないだろう。

主役となるのは、恒星間破壊兵器「ダイソン・ビーム」なのである。

これを受けては、さしもの太陽系もひとたまりもない。

しかも、ダイソン・ビームは当然光の早さでやってくるので、事前に察知することは不可能だ。

もし敵星系がダイソン・ビームを発射してしまったら、それを回避する策はない。

運命を甘んじて焼き尽くされるか、外宇宙に逃げるしかない。

しかし、太陽系帝国ダイソン球の支配者たるものが、

運命を甘んじて受け入れるほどお人好しではないと思う。

初弾が達した時点で、こちらも負けじと太陽の全出力をもって報復攻撃を行うだろう。

この報復を受けては、ケンタウリ側も無傷では済まされない。

アルファ、ベータ2つのうちの1つを失う覚悟をしておかねばなるまい。

このように恒星間戦争とは、かくも熾烈なものである。

20世紀末に騒がれた「核兵器による報復」など、

「ダイソン・ビーム」に比べれば子供だましに過ぎない。

恒星間戦争においては、「ダイソン・ビーム」よりも速度は遅いが、

もっと決定的な破壊をもたらす兵器もある。

名付けて「恒星ブラックホール爆弾」。

これは、恒星そのものを燃焼させつつ前進し、

最後にはブラックホールに代わって敵星系を飲み込むという、とんでもない兵器である。

この兵器は何のためにあるのか。

それは、敵星系を100%完全に殲滅させるためにある。

「ダイソン・ビーム」で攻撃を行っても、

敵の首脳が必ずしもダイソン球の上に住んでいるとは限らない。

むしろ、どこかの宇宙ステーションか、スペースコロニー上に避難している可能性も高いであろう。

そうした生き残りや、残存艦隊を含めて、星系ごと消滅させるのが

「恒星ブラックホール爆弾」の役割だ。

敵の生き残りを根絶やしにしておかないと、またどこかの星系に落ち延びて、

いつ何時報復攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

なので、懸念の芽は小さいうちに、完膚無きまでに刈り取っておくべきである。

こういった恒星間戦争が憂慮されるので、たとえ太陽系帝国を完成させても、

帝王の座に甘んじていてはいけない。

近隣の恒星系全てに支配の手を広げておかないと、安心できない。

太陽系など、しょせん銀河辺境の一星系に過ぎない。

1個目のダイソン球を建設したからといっておごることなく、

2個目、3個目と、星づたいに次々とダイソン球化する必要がある。

大切なのはダイソン球の「建設速度」なのだ。

支配下に置くダイソン球の数を、常に反対勢力より多く保つ必要がある。

そのように考えていったとき、銀河系全体で最も重要な戦略拠点は「銀河中心」である。

銀河中心とは、太陽系で言うところの太陽に相当する。

銀河全体で、最も恒星密度が高い空域を最初にダイソン球化しておけば、

辺境の地から銀河中心に攻め入るのは、相当困難であろう。

数の勝負になったとき、天の川にある無数の天体を有している側が圧倒的に有利だ。

こうして銀河中心を掌握した銀河大帝国に対して、

快く思わない人たちは隣の銀河に移住するしかない。

そして、恒星間で起こったことが1段階スケールアップして、銀河間で行われることになるのだ。

そこでは、銀河間における「銀河ビーム」と「銀河衝突爆弾」による

壮絶な戦いが繰り広げられるだろう。

そして、このお話は段階的にスケールアップして、

銀河団、超銀河団、フィラメント構造、セル構造、、、

と続いてゆくのだ。

はあ、世界を征服するのは、たいへんだ。
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2009年09月10日

『テトリス』で脳が成長:皮質の厚みも増す

ゲーム『テトリス』をプレイすると脳の働きが活性化することが、新たな研究結果から明らかになった。

この研究報告は、テトリスのメーカーが資金を提供し、ニューメキシコ州にあるMind Research Networkの研究員たちによってまとめられたもの。オープンアクセス誌『BMC Research Notes』に9月1日付けで発表された論文によると、この名作ゲームをプレイすると、調査対象者たちの脳に、2つの異なる影響が起きることが確認されたという。

この研究では、十代の女性のグループを対象に、テトリスをやり始める前と、3ヵ月間練習をした後でMRIによる脳の断層撮影を行なった。[Science Dailyの記事によると、26人の少女に3ヵ月間にわたり毎日30分ずつテトリスを練習させた]

この結果、脳内のある部分では活動効率が増し(上の図で青くなっている部分)、別の部分では皮質が厚みを増す、つまり灰白質[神経細胞の細胞体が存在している部位]が増えたことが示された(赤くなっている部分)。[青い部分は右前頭葉や頭頂葉で、思考や言語などをつかさどる部分。赤い部分は前運動野などで、多感覚統合や複雑な動作の統合に関わる部分とされる]

今回の研究を行なった研究者たちは、ビデオゲームのような「視野空間に関連する作業に挑戦する」ことに集中すると、脳の活動が活発になるだけでなく、脳の構造そのものも実際に変わりうると言っている。

共同研究者のRichard Haier博士はこの研究について、「テトリスのプレイヤーが、ゲームだけではなく一般的な他の行動に関しても永続的な効果を得られることを示す」かもしれないと話す。たとえば、ゲームなどの活動に従事することが、高齢化に伴う脳の衰えを防止するのに役立つ可能性があると同氏は指摘している。

[ロンドンのタクシー運転手の脳(海馬部分)は特別に発達しているという研究があるように、成人後も学習行動で脳が発達・構造的にも変化することが知られている]

posted by ubermensch at 21:43| Comment(0) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月04日

特定の対象だけに声を届ける広告板と、「神の声」兵器

人の脳そのものに声を伝え、神に語りかけられたと思い込ませる装置、いわゆる「神の声」兵器は、軍事の世界では都市伝説となっている。

防衛関係のワークショップで定期的に触れられては、決まって誰かが既に実用化されているとひそひそ話しだすのだ(皮肉なことに、私がこの装置を知った防衛関連の会議は、ブログ『Danger Room』の共同執筆者であるNoahに出会った場所でもある[旧約聖書に登場する「ノア」は、神が大洪水を起こしたとき、「神の声」を聞いて箱舟を造った])。

Steven Corman氏は、最近の『COMOPS Journal』の記事で、この都市伝説との遭遇を詳述している。記事から引用する。

この前、政府のワークショップで、「アラーの声」という新しい装置の説明を聞いた。遠くから1人だけにメッセージを伝える装置だという。

イラクで反乱軍の1人をターゲットにテストしたところ、その1人が急に辺りをきょろきょろ見回し、メッセージを聞いていない仲間たちと激しいやりとりを始めた、という話だった。私は半信半疑でこの話を聞いた。

この技術の原理は? 米Holosonic Research Labs社と米American Technology社はそれぞれ、音を特定の方向に導く技術を持っており、いずれも集団の1人だけにメッセージを聞かせることができる。

米国防総省の国防高等研究計画庁(DARPA)も、音を発射する技術(日本語版記事)を開発しているようだ。

米軍が長距離音響装置(LRAD)を神の声兵器として使っているという興味深い報告もある。『Strategy Page』から引用する。

イラクに駐留する複数の部隊が、LRADの「話し声」(「耳をつんざく音」ではない)で敵をもてあそんでいるようだ。イスラム教徒のテロリストは迷信にとらわれる傾向があり、当然ながら信心深い。LRADを使用すれば、彼らの頭の中に「神の言葉」を送り込むことができる。もし、自分にしか聞こえない声で、神から降伏や退散を命じられたら、どうするだろう?

Corman氏も紹介しているように、『CNET』は最近、ニューヨークにある広告板に、同様の技術が使われたと伝えた。米A&E Television Networks社のテレビ番組『Paranormal State』を宣伝するものだ。

[広告板の上に特殊装置が付いており、前を歩く人にフォーカスされた「声」を聞かせる仕組み。"Who is there?"という声の聞こえる様子を伝える動画はこちら。

この広告は、前述したHolosonic Research Lab社の『Audio Spotlight』技術を使っている。ワイアード過去記事(日本語版記事)によると、この技術は、人間の可聴範囲の上限である20キロヘルツを大きく超える60キロヘルツ域の超音波を発することで、ターゲットを絞ったコントロールを可能にしている。この超音波は、空気との相互作用で可聴音に変わる。作り出したい音の波形から「リバース・エンジニアリング」することで、発生させるべき適切な超音波信号を決定するアルゴリズムを利用している。]

音を特定の方向に指向させる技術のさらに上を行く技術が、マイクロ波聴覚効果(フレイ効果)として1960年頃から知られている技術だ。[マイクロ波を(レーダーのように)パルス波形にして人に照射すると、音を聞く事ができる現象。通常の音波が聞けない聴覚障害者でもこの音は聞こえるとされる。瞬間的なエネルギー吸収によって組織がわずかに熱膨張して弾性波が生じ,これが聴覚器官によって感知される現象とされる(PDF)。]このマイクロ波によって作り出される音は、頭の中から発せられたように聞こえる。ブルックス空軍基地でマイクロ波に関する極秘の研究が進められているという噂が絶えないが、米空軍は頑固に口を閉ざしている。

このようなことを考えてくると、「神の声」兵器や「アラーの声」兵器のことを考えずにはいられない。真実なのか? それとも、でたらめか? ある防衛関係の記者から聞いた話によると、アラーの声が聞こえるだけでなく、アラーの姿がホログラフィーで頭上に見えるという(アラーの外見は誰が決めるのだろう?)。

では、この兵器は実在するのか? 私には分からない。ただ、防衛関連の会議でこのテーマが取り上げられたとき、誰一人として、ある明白な疑問を口に出さないのは面白い。その疑問とは、この装置で人々は本当に神に語りかけられたと信じるのだろうか、というものだ。私は信じないと思う。

posted by ubermensch at 01:07| Comment(1) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

謎の米軍施設『HAARP』、公文書が認めるその能力は

ここ数年、陰謀説派が最も激しく憶測を展開した対象といえば、米軍がアラスカで展開している軍事プログラム『高周波活性オーロラ調査プログラム』(HAARP)をおいてほかにない。

アラスカにある莫大な数の送信機、電波探知機、磁気探知機は、何らかの超強力兵器だ――ここ数年飛び交ったそんな憶測を、米国防総省は鼻先であしらってきた。

だが、最近明らかになりつつある情報から判断すると、陰謀説派がまったく的外れというわけではなかったようだ。

HAARPに対しては当初から、具体的に何をしているのかについて数多くの意見が出ていた。マインド・コントロールのための巨大施設、高高度核爆発への対抗手段、天候を制御する装置、電離層を沸騰させるマッドサイエンティストの実験、究極の無駄な公共事業など、さまざまな噂が飛び交っていた。だが、HAARPが実際に稼動を始めた現在、軍の上層部は、アンテナが林立するこの施設の用途は、人々の憶測よりも穏当なものだ、と述べている。米空軍研究所のある関係者は10月、「HAARPの主な役目は電波を作り出し、電離層を調査することだ」と述べた(日本語版記事)。

それは事実だろう――ある程度までは。

情報自由法(FOIA)を利用してUFO関連文書の発見を目指す、『X-ファイル』を地で行くような陰謀説サイト『Above Top Secret』で、Clifford Stone氏の尽力により、『HAARP: Research and Applications(PDFファイル)』という詳細なレポートの開示へとつながった。

この文書は、表紙に「空軍研究所と米海軍研究局(ONR)の共同プログラム」と書かれており、軍がHAARPで意図している用途について説明している。明らかなのは、国防総省はこの施設から、軍事利用できる成果を得たいと考えているということだ。

HAARPは実際、上層大気や磁気圏、電離層に電波の干渉を引き起こすなど、軍事的に重要な能力を数多く持っている。



文書には、「高周波帯(VHF/UHF)での電離層横断伝播は、多数の民生・軍用の通信システム、監視システム、遠隔探査システムすべてにかかわる事象だ」と書かれている。つまり、電離層に混乱を与えることで、超短波ラジオ、テレビ、レーダー信号を意のままに無効化できるわけだ。アマチュア無線をやっている人なら知っているように、電離層の反射・屈折作用は、長距離無線の受信に大きな影響を与える。HAARPは、それを人工的に起こす唯一の手段を提供するのだ。

文書で興味深い第2の点は、HAARPが「オーロラの電気力学的回路」に対し影響を及ぼすことができる、という部分だ。オーロラ中には、10万〜100万メガワットの電気の自然流があり、10〜100ヵ所の大規模発電所で発電する電気に相当するという。電離層の電気特性に手を加えるということは、つまり、スイッチ1つで電気の巨大な流れをある程度変えられるということだ。有効に機能するなら、電気の自然流を変調させて、巨大な低周波無線送信機を作ることもできるだろう。

これは、軍部にとって極めて興味深い点だろう。極低周波(ELF)は、海中での通信や惑星の探査に利用できる。こうしたELFの伝播特性により、HAARPは「地球のかなりの部分」をカバーできる。文書によると、ELFは「地下の標的を検出すること」は言うまでもなく、「海底探査」に使用して海底鉱山を発見することさえ可能だという。

HAARPはまた、電離層で「エネルギー粒子の降下を誘発」し、「衛星の活動と寿命に影響を及ぼす」こともできる。この分野の研究は、太陽フレアや核爆発による粒子から衛星を保護することを目的としているとされるものだが、この説明からは、衛星にささやかな悪影響を与えることも可能だ、ということがうかがえる。

HAARPはまた、高周波帯でいくつかの有用な裏技も持ち合わせている。たとえば、「現状では微弱か皆無であるような地対地の通信リンクや衛星対地の通信リンクを強化する」ことも可能だ。電波反射層を作り出せるということは、つまり、無線やレーダーで非常に長距離をカバーするシステムが可能になるということだ。さらにHAARPは、自ら高周波レーダー送出装置として機能することさえ可能だ。

第3の注目点は、光学および擬似光学に関するものだ。HAARPは空を明るくすることができる。高高度のプラズマ生成の応用については以前にも検討したが(対ミサイル防衛の可能性など)、HAARPの場合、人工プラズマにより「赤外線の波長領域でメガワットの電力の大気光」を作り出せると文書に書かれている。

これは、「赤外線探査とその対抗手段に関して、軍事的に重要な意味」を持つ。これを説明する図は、衛星の下に赤外線の光を示しており、このシステムで赤外線衛星の視界を選択的に遮断できることを示唆している。赤外線衛星は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を発見する最善の手段となっているため、これは重要な能力になり得る。

総じて、HAARPは基本的な研究にとどまらない、実に多くのことが行なえる施設だということが分かった。天候の操作に比べたら大したことではないような気がするかもしれないが、忘れないでほしいことがある。文書に記載され、ここで紹介したHAARPの能力は、軍部が公開することをいとわない一部でしかないのだ。

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炎をアンテナにし、電子機器と人間を同時に攻撃する弾頭

「電子装置とその操作者を破壊、無能力化できる弾頭を開発し、ミサイルシステムに組み込むことで戦闘部隊を支援する」
左列:人員殺傷のための高性能爆発、機器破壊のための破片
右列:電子機器に対する電磁パルス(EMP)、対象は無線、携帯電話、コンピューター、車両のエンジン点火装置、GPS妨害装置


電子機器を焼ききる「電磁波爆弾」(日本語版記事)の使用は、何十年も前から議論されてきた。しかし、これまで実際に配備された例はほとんどない。コンピューターや通信機器を電磁放射で使えなくしてしまうという発想はすばらしいが、軍の司令官たちはすでに実績のある手法を好む。つまり、何でも爆破してしまうやり方だ。

そこで米陸軍は目下、その両方を同時にできる技術を開発中だ。このハイブリッド型兵器を弾頭に搭載すれば、たった一発で「電子装置とその操作者を破壊、無能力化」できる電磁波爆弾によって、さらなる打撃を与えることが可能になる。

電磁波爆弾のカギを握るのは、爆発によって消磁し、エネルギーをパルスパワーとして放出する磁石[や強誘電体]だ。さらに、[爆発の]炎を[電磁エネルギーの方向を制御する]アンテナとして用いる。詳しくは『Defense Technology International』誌最新号に筆者が掲載した記事を参照してほしい。

従来の電磁波爆弾は、「爆発力による磁束圧縮ジェネレータ」を基にした設計となっていた。これは一連の金属コイルに電流を流し、爆発によって瞬時に磁束を圧縮させるというものだ。[高性能爆薬を使って磁束を圧縮することによって強力な電磁パルスを発生させる装置。1950年代初頭に核融合研究のために非常に短くて強力な電気パルスを発生させる装置が必要になったことから、ソビエト科学者によって発明された]

これに比べて、開発中の新技術ははるかに小型化している。新技術は、一部の磁石に強力な衝撃波を与えると自発的に消磁し、その過程でエネルギーのパルスを放出するという研究結果に基づいたものだ。この現象は専門的には「圧力誘起磁気相転移」と呼ばれる。

この原理をネオジム磁石(ヘッドフォンなどに使われている永久磁石)を爆発させることで証明した陸軍の航空・ミサイル研究開発技術センター(AMRDEC)は、その後、研究対象をネオジム磁石からチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)[チタン酸鉛とジルコン酸鉛の混晶。巨大な誘電率および圧電性、強誘電性をもつ]へと移した。こちらを利用した現時点での最新技術は「爆発性の超小型高電圧ナノ秒パルス発生装置」と呼ばれるもので、大きさは1平方インチ[6.451平方センチ]の約5分の1だ。

しかし、これには技術的な困難もある。これが兵器として機能するためには、弾頭の中に収まるサイズで、なおかつ目的を果たすのに十分な大きさのアンテナが必要だ。問題は、発生させる電磁パルスの特性によってアンテナのサイズが決まることだ。それなら折りたたみ式のアンテナを作ればいいと考えるところだが、陸軍はさらに一歩先を行き、炎でできたアンテナを使おうとしている。もう少し正確に表現するなら、AMRDECのAllen Stults氏がアンテナとして使おうとしているのは、爆発によって噴出する電離プラズマのジェットだ。

炎が電気を通すことは何百年も前から知られていたが、この性質を有効利用した例は、プラズマを使って音を出すプラズマ・スピーカーなどごくわずかしかない。この性質が、金属の代わりに電離ガスをアンテナとして使うことを可能にする。

Stults氏は、成形炸薬弾頭に用いられている化学混合物に手を加え、電磁パルスの方向を制御して標的に当てる「プラズマ・アンテナ」を作ろうとしている。このプラズマ・アンテナは、映画『スター・ウォーズ』シリーズのライトセイバーのように、突如光るチューブ状の物体として出現し、電子機器に対して非常に壊滅的な打撃をもたらすという。

陸軍に新設された電子戦部門に所属するLaurie Buckhout大佐は数週間前、あるブロガーの円卓会議に参加した際に、手榴弾サイズの電磁波爆弾を作る技術が存在したと語った。「しかし、私自身はその技術を試してみたことはない」と同大佐は述べた。

この種の兵器には戦略上、いくつもの用途が考えられる。ただし、この技術が広く用いられるようになった場合、米軍自らもまた、この兵器に対して最も脆弱な組織の1つとなる可能性が高い。電子機器に大きく依存しているからだ。

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副作用は「青い身体」:食用色素で脊髄損傷を治療

『FD&C Blue No.1』(「ブリリアント・ブルーFCF」、通称「青色1号」)は、米国の食品医薬品化粧品法(FD&C法)に基づく食品添加物で、ごく普通に利用されている合成着色料だ。幸運な偶然から、この色素が、神経の炎症を引き起こす主要プロセスを遮断するために実験室で作り出された化合物に驚くほど類似していることが明らかになった。

脊髄損傷を受けたラットに青色色素を投与すると、投与されなかったラットよりはるかに早く回復したのだ。しかも、研究者から報告されている副作用は1つだけ――ラットが青く染まるということだけだ。

7月27日付けで『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に掲載された研究論文を共同執筆した、ロチェスター大学医療センターの神経科学者Maiken Nedergaard氏は、「これを今まで誰も試みなかった原因の1つは、食品科学と神経科学がまるで分断されていることにある」と語った。

米国では、毎年およそ1万2000人が脊髄に損傷を負っている。原因の多くは自動車事故や悲惨な落下事故だ。最初に脊柱や首へ衝撃が来た後、脊髄周辺に生じる腫れによって血液の供給が阻害されるため、さらに神経細胞が死滅する結果を招く。損傷を受けた直後にステロイドを投与すると効果の見られる患者も少数いるが、大部分は、この二次的な炎症のせいで症状が悪化し続ける。

Nedergaard氏と研究チームは2004年、脊髄周辺の腫れが、アデノシン三リン酸(ATP)の急速な放出によって引き起こされることを突きとめた。ATPとは、通常は細胞にエネルギーを供給する分子だが、過剰になると神経細胞に過度な刺激を与え、代謝ストレスで細胞を死に至らせる。

研究者たちは、「P2X7」と呼ばれるATP受容体を遮断することで、脊髄損傷に起因する炎症を大きく防げられることを見いだした。だが今まで、この受容体を遮断できる、臨床的に有効な薬品は特定できなかった。

P2X7受容体に似た構造の化学物質を探す過程で行き当たったのが、毒性がないとして、1928年に米食品医薬品局(FDA)の承認を得ている青色1号だ。

「米国では1人が1日におよそ14ミリグラムの青色1号を摂取している。青い食品には何にでも入っている。チョコレートのM&M's、ゲータレード、ジェロー。米国では年間1億ポンド(およそ4500万キログラム)が食べられており、毒性がないことは証明されている」と、Nedergaard氏は語る。

[青色1号は、ベンズアルデヒドスルホン酸とエチルベンジルアニリンスルホン酸を反応させたものを酸化させることによって作り出す。FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)の毒性試験では、短期毒性、長期毒性および発がん性は確認されていない]

青色1号のもう1つの利点は、これが血液脳関門を通過することにある。薬剤を脊柱に注入する方法は、損傷を負っている患者には危険が伴いかねないが、青色1号なら血管から送りこむことが可能だ。[血液脳関門は、血液と、脳・脊髄を含む中枢神経系の組織液との間の物質交換を制限する機構]

この化合物が脊髄損傷後の回復を向上させられるかどうかをテストするために、(麻酔をかけた)ラットの背骨に10グラムの重りを落として損傷させ、その15分後に、青色1号とほぼ同じ構造の『ブリリアントブルーG』を静脈に注入した。

青色色素を投与されたラットは、投与されなかったラットよりずっと回復が早かった。6週間たつと、投与されたグループは足を引きずりながらも歩けるようになったが、投与されなかったグループでは、歩けるまでに回復したラットはいなかった。

[損傷後4時間以内に投与を行なえば、二次障害の炎症を抑えて永久的な麻痺を回避できるという。なお、皮膚や目は投与の1週間後に通常の色に戻ったが、6週間後に解剖したところ、脊髄は青いままだったという]

Nedergaard氏は、更なる実験が必要であることを認めている。同氏は資金が得られ次第、臨床試験を行ないたいと考えている。問題は、青色1号が非常に安価なので、臨床試験を支援する製薬会社が見つけられそうもないことだ。同氏は政府の支援を希望している。

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「空飛ぶ円盤」型の超小型飛行機

軍事用ロボットの形状はさまざまだ。小型自動車や戦車から、鳥、昆虫、ヘビ、さらには野球のボールの形をしたものまである。

英国の新興企業Aesir社では、SFの古典的なコンセプト「空飛ぶ円盤」に基づいた、小型の無人飛行機シリーズを製作中だ。

軍事技術ブログ『Ares』に掲載されたGraham Warwick氏の記事によると、Aesir社は、[2008年末に事業を停止した]英GFS Projects社から資産を買収した。その資産の中には、直径が30センチのものから1メートルを超えるものまで、3種類の空飛ぶ円盤が含まれていた。

上の動画はAesir社による最初の試作機『Embler』のもので、いわゆる「コアンダ効果」を実演している。カーブした表面に空気が「くっつく」ことで、空気を加速させるのだ。Aesir社の無人機は、コアンダ効果を利用し、空気を機体下方に離れるように流すことで揚力を得ている。

Aesir社にはまだ支払いを行なう顧客がついていないようで、1人の投資家から資金を得ていると伝えられている。継続可能な空飛ぶ円盤ボットは早かれ遅かれどこかが製作するだろうが、Warwick氏によると、それはAesir社かもしれないし、同社ではないかもしれない。「テレビのリアリティ番組のセレブよりも、企業の誕生と消滅が速い」業界なのだ。

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人体へのハッキング攻撃:発達する「神経工学」とその危険性

これまで研究者らは、指1本動かさずに脳波だけでコンピューターを操作し、『Twitter』にメッセージを投稿したり(日本語版記事)、車椅子を動かしたり(日本語版記事)できる技術を開発してきた。だが、神経科学的な機器が複雑化・ワイヤレス化した現在、一部の専門家たちは「脳ハッキング」のリスクを真剣に考えるべきだと警鐘を鳴らしている。

ハッカーたちは四六時中パーソナル・コンピューターに侵入しているが、もし、ハッカーたちがその悪意ある熱意を、これらの医療機器に向けたら何が起こるだろう。たとえば現在パーキンソン病やうつ病の治療に使われている脳深部刺激装置(日本語版記事)や、義肢の制御(日本語版記事)のための電極システムが乗っ取られてしまうとしたら?

ワシントン大学のコンピューター・セキュリティ専門家、Tadayoshi Kohno氏らのチームはこうした懸念を、『Neurosurgical Focus』誌の7月1日号で明らかにした。

Kohno助教授は、現在の医療機器のほとんどにはセキュリティ上の大きなリスクはないとしながらも、「神経工学」がもっと複雑化し普及する頃にはセキュリティ侵犯が急増する可能性がある、と指摘する。

たとえば、義肢の制御のためのインプラント装置は、次世代には、ワイヤレス制御で機器の設定を医師が遠隔操作できるようになるだろう。だが、もし暗号化やアクセス・コントロールなどのセキュリティ機能が組み込まれていなければ、ハッカーが機器を乗っ取り、ロボット義肢を勝手に操ることもできてしまうだろう。

「複雑なシステムをバグなしで設計するのはとても難しい。これらの医療機器はますます複雑化しているので、バグの見落としはますます起こりやすくなっている。これはきわめて深刻なリスクになりうる。今日ではSFまがいに聞こえるかもしれない。しかし、50年前には月に行くことだってそう思われていた」と、Kohno助教授は語る。

他人の脳をハッキングしたいと思う人などいるだろうか、という反論もあるかもしれない。だが研究チームによると、コンピューターを用いて人の神経系を攻撃した例はすでにある。2007年11月と2008年3月に、悪意あるプログラマーたちがてんかん患者の支援サイトを攻撃し(日本語版記事)、点滅するアニメーションを掲載したために、図形感受性てんかん患者の一部が発作を起こしたのだ。

場合によっては、患者自身が、自分の身体の医療機器をハッキングしたいと思うかもしれない。義肢制御装置は現在では有線式だが、脳深部刺激装置の多くはすでにワイヤレス信号に依拠している。患者がこれらの装置をハッキングして、脳の報酬中枢を活性化させれば、気分の高揚や痛みの緩和について、言わば自分で処方箋を書ける状態になるわけだ。

Kohno助教授らのチームは自分たちの研究分野を、「ニューロセキュリティ」なる新語で説明している。もちろん、この問題を扱った学術論文は今回のものが初めてだ。

実際に問題が起こる前にセキュリティを考えておくことの重要性については、歴史上にいくつもの例を見出せる、とKohno助教授は言う。おそらく最良の例はインターネットだ。これはもともと研究プロジェクトとして計画されたため、セキュリティを考慮に入れていなかった。

「インターネットはもともとセキュリティを考慮に入れずに設計されたため、既存のインターネット・インフラを改良して今日のセキュリティ基準を完全に満たすのは、不可能ではないまでもきわめて難しい」と、今回の研究論文には書かれている。Kohono氏らは、神経機器の世界でこのような問題が再び起こることを避けるために、まずはセキュリティ問題の可能性について議論が行なわれるようになることを望んでいる。

Mind Hacksの記事を参考にした。

[Kohno氏らは、米国で260万人が使用している植え込み式除細動器(ICD、致命的な不整脈を止める医療機器)のセキュリティ上の危険性についても指摘している。例えばICDに一種のDoS攻撃をしかけて電池の寿命を縮めたり、機能を停止させることで殺人も可能という]

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ハエの「高速な視覚処理」を飛行シミュレーターで研究

ハエはあんなに脳が小さな虫なのに、捕まえようとすると毎回のように逃げられるのはどうしたことかと、不思議に思ったことがあるのではないだろうか。科学者もそれは同じのようだ。

普通のクロバエが人間の4倍以上のスピードで視覚情報を処理する仕組みを解明しようと、ハエの飛行シミュレーターが作られている。

ドイツにあるマックス・プランク神経研究所の生物学者チームは、専用の固定ベルトで動けなくしたクロバエの脳に電極を取り付けた。それからクロバエは、さまざまな移動パターンを映し出す、半円状の液晶ディスプレー画面の前に置かれた。

このクロバエが、周囲を「飛び回る」仮想物体に反応した際、その脳でイメージがどのように処理されるのか、蛍光顕微鏡を使って観察が行なわれた。

人間と比較すると、クロバエの視覚処理は卓越していた。人間は独立したイメージを、1秒間に25個まで識別できる。これに対しクロバエは、1秒間に最大で100個のイメージを感知する。そして素早い反応で進行方向を変更できる。

このドイツの研究チームは、昆虫の視覚に関する発見を、より優れた飛行ロボットの開発につなげたいと考えている。


LEDスクリーンの底にある白いバーの部分にクロバエが設置された。画面を動くパターンや形をハエが見るときの脳の動きが記録された。画像:マックス・プランク神経研究所

飛行シミュレーターを使ってハエの研究を行なっているのはここだけではない。カリフォルニア工科大学のMichael Dickinson氏が率いるグループは、『Fly-O-Vision』という同じような装置を使い、ショウジョウバエの筋肉の協同と視覚処理を研究している。

Dickinson氏は2008年のプレスリリースで、「エンジニアは、電力網やロボットなど、複雑に機能するシンプルなものを作りたいと考えるだろうが、シンプルなものから複雑な動きを得る方法を考えるなら、生物学的な組織体の研究は最良の方法の1つだ」と述べている。「まず、研究が容易な生物から研究し、そこから推定していく。それが『生物学系システム』モデルの基本だ」

posted by ubermensch at 00:43| Comment(0) | 世界征服系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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